俳優を輝かせ物語を彩る衣装は映画の見どころ。日頃からコーディネートを提案する16名が認めるコスチュームが魅力的な一本を教えてもらった。連載 #ファッションで選ぶマイベスト映画 より。
🎨CULTURE
スタイリスト三田真一が選ぶ、衣装が魅力的な映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』
ファッションで選ぶマイベスト映画vol.05
『ナイト・オン・ザ・プラネット』
(91)
鍵やライトがアクセサリー
小物使いの発想に脱帽
LA、NY、パリなど5都市で働くタクシードライバーたちの一夜の体験をオムニバス風に綴った名作。
「高校生の頃にレンタルショップで借りたビデオで観たものです。1話目に登場するウィノナ・ライダーに衝撃を受けましたね。彼女が演じるコーキーはキャップを後ろかぶりにし、オーバーサイズのシャツとデニムを着ています。その胸元には鍵をぶら下げて、懐中電灯をウエストにじゃらつかせている。さらに、タクシーの運転中にかける大ぶりのティアドロップ。もう、すべてがかっこいい。ジム・ジャームッシュの入念な人物づくりに感激しました。ほかにはデイヴィッド・リンチやウェス・アンダーソンの作品もよく鑑賞します。どれも監督自体がジャンルとして成立していますよね」
![空港で出会ったヴィクトリアを乗せてビバリーヒルズを目指すタクシー運転手のコーキー。映画のキャスティングディレクターである彼女は新作に出演する俳優を探していた。道中で会話を交わすうちに、コーキーに可能性を感じたヴィクトリアは、ある提案をするのだが。運転手と客の会話劇とともにそれぞれの都市の風景も楽しめる。©1991 Locus Solus Inc.](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F04%2Fstylistfilm-02-1-1416x966.jpg&w=3840&q=75)
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三田真一
みた・しんいち>> 『マルホランド・ドライブ』『クルエラ』『グランド・ブダペスト・ホテル』のスタイリングにも刺激を受けている。
Text&Edit_Mako Matsuoka