俳優を輝かせ物語を彩る衣装は映画の見どころ。日頃からコーディネートを提案する16名が認めるコスチュームが魅力的な一本を教えてもらった。連載 #ファッションで選ぶマイベスト映画 より。
🎨CULTURE
スタイリスト早川すみれが選ぶ、衣装が魅力的な映画『EDEN/エデン』
ファッションで選ぶマイベスト映画vol.07
『EDEN/エデン』
(14)
ラフな格好でナイトアウト
パリの“リアル”を楽しむ
「ヘルメットを被る前のダフト・パンクがDJプレイをする、ハロウィンパーティの一幕は圧巻です。ジャージーを主役にしたミックスコーディネートにお面をつけるだけの仮装や、ジャストサイズのカットソーやデニムをまとって踊る姿など。90年代中盤のフランスの若者のカジュアルスタイルも垣間見られるので」
初見は2017年頃にレンタルをしたDVDであった。
「そのほか、ディミトリ・フロム・パリといったフレンチ・タッチの楽曲が流れます。そのトラックリストが最高で、音を聴くためだけに再生することも。ミア・ハンセン=ラヴは悩みや弱さも抱える人物に焦点を当てるのがうまい。彼らの心の波を丁寧に描くため、観ているうちに愛おしさが募ります」
![エレクトロ音楽に傾倒する大学生のポール(フェリックス・ド・ジヴリ)は親友とDJユニットを組むやいなや、パリのクラブシーンで頂点を極める。パーティざんまいの狂想的な世界にどっぷりと浸かるうちに金銭感覚は狂い、ドラッグは手放せず、恋人とは破綻を繰り返すように。やがて彼の生む音は時代と乖離していく。監督の実兄がモデル。©2014 CG CINEMA – FRANCE 2 CINEMA – BLUE FILM PROD – YUNDAL FILMS](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F04%2Fstylistfilm-01-6-1416x802.jpg&w=3840&q=75)
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早川すみれ
はやかわ・すみれ>> 監督のミア・ハンセン=ラヴとは同世代で親近感を抱いている。彼女の最新作『それでも私は生きていく』にも注目する。
Text&Edit_Mako Matsuoka