俳優を輝かせ物語を彩る衣装は映画の見どころ。日頃からコーディネートを提案する16名が認めるコスチュームが魅力的な一本を教えてもらった。連載 #ファッションで選ぶマイベスト映画 より。
スタイリスト柴原コトミが選ぶ、衣装が魅力的な映画『ひかりのまち』
ファッションで選ぶマイベスト映画vol.15
『ひかりのまち』
(1999)
ストーリーへと引き込む
颯爽とした佇まい
大学時代にバイトをしていたレンタルDVD店で、好みの合う常連からすすめられたのをきっかけに視聴。
「他者に伝わりづらい悩みを抱えて生きる“普通の人たち”を切り取っています。ナディアがクラブを抜け出して夜のロンドンを歩き回る冒頭の5分間に見入ってしまいました。きゅっとまとめたヘアスタイルと化粧気のない顔。シアートップにボリュームのあるアウターを羽織って、ずんずんと歩く姿がかっこよくて」
ナディアのワードローブはパーカやカットソーなどが中心だ。
「彼女は都会で大勢の人に囲まれているのに、孤独を感じている。そうなる気持ちはよく分かります。この企画を機に観返すと、ナディアの年齢を私は追い越していました。その現実にはちょっと驚き」
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柴原コトミ
しばはら・ことみ>> 心の葛藤を綴った物語の世界に浸って涙を流すと自分もデトックスができるので、あえて泣ける一本をチョイスするそう。
Text&Edit_Mako Matsuoka