「まだ見たことがないもの」を信条に、作家性を大切にしたフレッシュな作品は公開されるたびに大きな話題をよび、映画界での存在感をますます高めている。現地関係者への取材や新旧のタイトルを考察し、あらためて「A24」の魅力に迫ります。
“A24らしさ”が詰まったマストウォッチリスト
国際映画祭などで発掘した監督らの作品を配給し、自らのブランドを確固たるものにする傍ら、作家性の強い個性的なタイトルを多数製作してきたA24。そのラインナップは配給作品と製作した作品をあえて区別しないスタイルで、ポスターなどにも“A24 presents”と表記されている。今回、製作作品のみを並べて見えてくるのは、一般受け度外視の作家性の強いクリエイターばかりを支援している姿勢だ。配給し、縁ができた監督の新作や、映画を初めて手がけるコメディアンや俳優などもサポートする。パーソナルな映画を自由につくる場を提供することこそが、A24らしさであると伝わってくる。
Text_Tomoko Ogawa