2024年12月22日(日)から29日(日)まで、〈T.T/ティー・ティー〉による展示『T.T I-A 02 遺物の声を聴く 応用考古学の庭』が東京「草月会館」にて開かれる。ファッションデザイナーでもあり現代美術作家でもあった髙橋大雅が蒐集した約300点もの古美術や服飾資料、さらにそこから着想を得た髙橋の作品が並ぶ。
〈T.T〉がイサム・ノグチの石庭を舞台に東京初個展を開催
いけばな草月流とコラボレーションした茶室「然美」も展開
デザイナー髙橋大雅が〈T.T〉(*2023年まで〈Taiga Takahashi〉)というブランドに込めたコンセプトは、「過去の遺物を蘇らせることで、未来の考古物を発掘する」という応用考古学の視点に基づいたものだった。10代の頃から海外のアンティークディーラーなどを通じて70年や100年以上も前に作られた服を集めていた髙橋は、それらを研究することで、現代そして未来にまで存在し得る服を作り続けた。
高橋は2022年に27歳で急逝するが、彼の理念はブランドに継承され、新たな発展を見せている。「草月会館」で行われる本展も、今年からはじまった髙橋の蒐集した古物を公開するプラットフォーム「T.T I-A(Institution of Archeology)の取り組みの一環だ。
展示空間に設定されたのは、髙橋が大きな影響を受けた芸術家、イサム・ノグチの石庭「天国」。ノグチが表現する時空の交錯や自然との調和に、髙橋の考古的発想が重なっていく。
本展では、京都・祇園の総合芸術空間〈T.T〉内にある茶室「然美」も登場。草月流とのコラボレーションによって「竹窓の然美」として展開され、草月流三代目家元・勅使河原宏が生み出した、竹による回廊式の異空間から着想を得た空間を作り上げ「竹窓の然美」では予約制で4品のペアリングコースが提供される。
12月24日(火)には、水の音や陶器の楽器を用いるサウンド・アーティストTomoko Sauvageがライブパフォーマンスを披露する。
視覚や聴覚が響き合うなか、過去の美意識が現代に甦ってくる感覚をおぼえる本展。深遠で静謐な体験が生まれる。
ℹ️
『T.T I-A 02 遺物の声を聴く 応用考古学の庭』
会期_2024年12月22日(日)〜29日(日)
会場_草月会館 1F&2F
住所_東京都港区赤坂7-2-21
時間_11:00〜19:00(23日、24日は〜16:00。29日は〜15:00。最終入場は閉館30分前)
Tel_03-3408-1154
*入場無料
【竹窓の然美】
営業時間_11:00〜12:00、15:00〜16:00
予約_HPより申し込み
【Tomoko Sauvageライブパフォーマンス】
日程_2024年12月24日(火)
会場_草月会館1F
時間_18:00
*入場無料
Text_Motoko KUROKI