JR, The Chronicles of Kyoto, Close Up, Japan, 2024 © JR
『第13回 KYOTOGRAPHE 京都国際写真祭』が2025年4月12日(土)から5月11日(日)まで開催される。人間の愛や共感力、危機を乗り越える力が、さまざまなアーティストによって探られる。
人間の営みの複雑性を写す『KYOTOGRAPHIE』
2025年の京都国際写真祭は「HUMANITY」が軸

世界のあちこちで格差や断絶が進んでいて、社会課題が山積みになっている。そんな中、『第13回 KYOTOGRAPHE 京都国際写真祭』が試みるのは、写真の力で人間の営みの複雑性に光を当てること。伝統と革新が生きる古都の各所で展示が行われ、メインプログラムには世界10の国と地域から14組のアーティストが参加する。
作品に写し出されるのは、戦争やジェンダーに、痛みや感情。人間とはかくも多様でややこしく、けれどそれゆえに愛おしい。そんな眼差しは、関連プログラムにも通底している。
芸術家、赤瀬川原平が提唱した「超芸術トマソン」に関する作品や、インディペンデントな自費出版の雑誌『Kyoto Journal』の史上最も魅力的な写真とそのストーリーを厳選して発表する展示、雑誌『Another Man』と横山大輔とのコラボレーション展。それから、国内外の出版社や書店が集うブックフェア。
さらに、同時期に開催される音楽フェスティバルの『KYOTOPHONIE 2025 春』では、日によってさまざまなアーティストが京都市内でパフォーマンスを行う。世界的なアイコンであるパティ・スミスと現代音響芸術コレクティヴ「サウンドウォーク・コレクティヴ」が登場するほか、ボーカリストのコムアイや、サウンドアーティストの森永泰弘も出演。ブラジルからはロックスラーのフィリペ・カットが来日し迫力溢れるステージを見せる。
写真と芸術を通じて人間性の何たるかを探ることは、他者理解にもきっとつながるはずだ。
ℹ️
『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025』
会期_2025年4月12日(土)〜5月11日(日)
会場_京都府京都市内各所
時間_会場によって異なる
料金_パスポートチケット一般6,000円(オンライン5,800円)、同学生3,000円(オンライン同額)
Tel_075-708-7108(KTOTOGRAPHIE事務局)
Text_Motoko KUROKI