スケボー、F1、サッカーにバスケ…センスのいいあの人も、スポーツ観戦に夢中。その魅力を熱く語ってもらいました。観戦気分を盛り上げるファッションアイテムもご紹介!#観戦マニアの偏愛プロダクト
F1観戦マニア、ファッションエディター大平かりんの偏愛プロダクト
複数チームのユニフォームをミックスして着てもOK!
F1
舞台裏のドラマから
生きる姿勢を学ぶ

「今シーズン特に応援しているのは角田裕毅さん。世界で20人しかいないF1レーサーの一人です」
普段から愛用しているという、角田とVERDYのコラボTシャツを持参してくれたのは、ファッションエディターの大平かりんさん。
「20人という狭い相関図の中に、年齢もキャリアもさまざまな選手がいるのがF1の奥深さ。19歳の貴公子、オリバー・ベアマンくんのような若手もいれば、ルイス・ハミルトンのようなベテランもいる。私がテレビで初めてF1を観たのは高校生の時ですが、その時に走っていたフェルナンド・アロンソが、いまだ現役だったりするのも驚きますよね」
いわく、夢中になった理由は、Netflixのドキュメンタリー 『Formula 1: 栄光のグランプリ』。
「F1って、レーシングドライバー以外にも、関わる人や仕事の数が圧倒的に多いんです。舞台裏で監督がどういう話をしているのか、エンジニアがどんな葛藤を抱えているのか。複雑な人間模様やドラマが、試合を観るより色濃く描かれている。花形に見えるドライバーも同様です。1チーム二人の編成なので、一人を確実に勝たせるための補佐的な役目として走らないといけない選手も出てきます。けれどやっぱりプライドがあるから、走行中に“今の指示は納得できない”と強い口調で主張したりもする。そういうドラマを知るとF1がもっと好きになるし、試合を観て応援したくなるんです」

そんなF1の世界選手権(GP)は年に1度、全24戦。各国を転戦するのでチームのSNSを見ているだけで世界旅行をした気分になる。
「会場の雰囲気にそれぞれのお国柄が表れるんです。シンガポールGPは市街地レースかつナイトレースで非常に人気がありますし、マイアミGPはビーチやプールサイドで映える派手なデザインに車体やヘルメットも変わるので私好み。試合前に現地入りした選手たちが観光する様子が、随時インスタにあがるのもめちゃくちゃ楽しい。日本だと東京でラーメンを食べたり相撲を観たり」
さて、2022年から鈴鹿GPを観戦し続けている大平さんが、とりわけ楽しみにしているのがこの瞬間。
「スタート/ゴールに近いエリアで観戦すると、レースの1時間前に、10チームのクルーが一斉に出てきて仕事をこなしていくウォーリーを探せ状態の時間があるんです。ピットストップも見どころで、20名を超えるクルーがテキパキ動き3秒で仕事を完了します。巨大なオープンキッチンのようなその光景を観るのは、ものすごく気持ちいいし見ごたえも抜群。現地に行かないと味わえない楽しみです。全チームのファンが集まるのに、他のチームをけなすことがまったく無いところも好き。自担を応援しつつ、その開催地出身の選手が勝つと会場の全員がワーッと喜ぶ。温かいんですよね」

同時に、多くの学びを得られる点も魅力だと大平さんは言う。
「勝つという明確な目的が存在する世界ですが、ままならないことだって起きる。その中でどういうふうに気持ちをコントロールして、自分なりの勝利を手に入れるのかというところが興味深い。仕事や私生活においてもたくさん影響を受けています。勝ち方の正解は一つじゃないし、挑み続けることにも意味がある。そういう大切なことを教えられるんです」

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大平かりん
おおひら・かりん>> ファッションエディター。「365日同じコーディネートはしません?」をモットーにしたインスタグラムでは、私服スナップのほか鈴鹿F1日本GP観戦の様子も。F1以外ではアイスダンスのシブタニ兄妹に注目中。
Photo_Ryuichi Adachi Text_Masae Wako