ジェイムス・ブレイクやザ・エックス・エックスが多大な影響を受けたことでもよく知られるマッシヴ・アタック。彼らの音楽に対する日本からの返答と評され、1992年にデビューを果たした下田法晴のプロジェクト、サイレント・ポエツ。ダブとヒップホップを軸としたハイブリッドな音楽性と詩情が漂うサウンド・デザインが世界的な高評価を獲得した彼が発表する新作アルバム『dawn』はデビュー25周年の節目となる作品だ。
「自分にとって、ものを作ったり、作品を発表することは冒険なんです。また作品の内容的にもこれまでのサイレント・ポエツから冒険をしている部分もあるので、アルバムタイトルは“冒険”を意味する『adventure』もいいなと思ったんですけど、もう1回夜明けが来る、というイメージから『dawn』にしました。ただ、音楽を作るうえで、選択肢があるとしたら、無難な方を選ばずに挑戦的でありたいですし、25周年のタイミングで、あらためて、冒険心は大事だなと思いました」
ラッパーの5lackをフィーチャーした話題のCMソング「東京」をはじめ、本作には、セックス・ピストルズのポール・クックを父に持つ女性レゲエ・シンガーのホリー・クックやジャパニーズ・ミニマル・メロウを標榜する若手最有力バンド、D.A.N.の櫻木大悟ら、ジャンルや国籍を超えたシンガー、プレイヤーたちが参加。彼らを登場人物に、サイレント・ポエツが作り上げたのは、ストリングスやアコースティックギターが増幅する美しいメランコリアとリズムに宿した未来を切り開く強い意志にまつわるシネマティックな作品世界だ。夜明けに向かって紡がれる物語には新しい音楽体験が待っている。








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『dawn』
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