仲子(以下仲)「ギン子ちゃん、こないだの歌舞伎デートはいかがでしたか?」
ギンザ(以下ギ)「あ、仲子ちゃん。おかげさまでお洋服も褒めてもらって会話も弾んでいい感じなんだけど、家が近所なのが発覚して……」
仲「やだ、素敵じゃないですか!」
ギ「そうでもないの。昨晩も突然近所の居酒屋に呼び出されて、もうパニック! 校了あけで髪ボサボサだし、居酒屋に何を着て行ったらいいのか分からないしで、ミニワンピに一張羅のライダース着て行ったら……、葛城ユキかって爆笑されて(泣)」
仲「かわいそうに。そんなギン子ちゃんにはこれをプレゼントしちゃいます。」
ギ「家でDVD見てろってか!?」
仲「やだなあ、違いますよ。家にいる→呼び出される→すぐに来る、でもオシャレ。そのオシャレのさじ加減が大事なんです。キラッキラのドレスで家にいる女とくつろぐ我が家、想像できますか?」
ギ「イヤカモ。」
仲「でしょう! 話題性の高いメンズブランドをダボッと着て、華奢見えを狙うんです。ボサボサの髪も帽子でカバーすれば問題なし。」
ギ「仲子ちゃんって意外と計算高い女……?」
仲「そんなことありません。このトップスは世の中の才能をつなぐアートコレクティブ《カルトクラブ》のもの。Tシャツとスウェットのイラストはレゲエ好きの父親が所有するCDジャケットを、13歳の男の子が模写したものだそうです」
ギ「絵心どころか完全アート! すごい少年だ。」
仲「話題性もバッチリ! ご近所飲みの席で彼と絵心対決して盛り上がっちゃってください。」