服はその人の人生を表す鏡。破れてもカビが生えても(!)手放せないモノって、ありますよね?思い出がつまったアイテムを一生愛する。そんな覚悟を決めた17人のストーリー、お届けします。
お洒落はやせ我慢だと このコートから学んだ「ボロボロになっても着たいものがある」07

「高2の時に買った、今はなき〈ギョーム ルミエール〉のコート。手に入れるため夏休み、ひたすら引越しのバイトをしたのを覚えています。今見ると一周回って新鮮なサイズ感やディテール。当時タイトシルエットが流行っていたのですが、つり革もつかめないほどにすべてがタイトで着込むゆとりもなく、真冬もTシャツの上に着用。学生時代より太った今は、もうピッチピチで張り裂けそう。でもこの服が初めてモードに触れた思い出だから、捨てることも売ることもできず。前合わせのメタルバックルはすっかりサビ?カビ?だらけですけどね(笑)」
〈KEISUKE YOSHIDA〉デザイナー
吉田圭佑さん
立教大学を卒業後、「ここのがっこう」「AMI」などでファッションを学ぶ。2015年秋冬にブランドをスタート。keisukeyoshida.com