“FOODIE”なあの人を誘って
#04
deux feuilles
ドゥ・フイユ
[神楽坂]
和の香りをまとった
相思相愛なパンと料理
パン好きに熱く支持される神楽坂の名店「パン・デ・フィロゾフ」。以前からレストランを開くのが夢だったオーナーの榎本哲さんが手がける2号店が、この「ドゥ・フイユ」だ。
店名は、フランス語で「双葉」の意味。榎本さんが信頼するシェフの高橋優太さんと二人三脚で運営している。料理人になる前はサービスをしていた高橋さんは、食べる人を楽しませたいという思いが強い。だからなのか、イタリアンやフレンチをベースに、和の要素を織り交ぜた皿には、驚きが満ちていた。たとえば、春のタケノコのムニエルは、こんがりとソテーしたあとに、香り高い木の芽の和風あんをかけ、和食のような一皿に。煮穴子のフリットは、甘辛いタレと削ったパルミジャーノ・レッジャーノの組み合わせが新鮮だ。季節を大切にしたメニューはどれも気どらず、ほっとする味だけど、ひねりが効いている。
これらの多彩なアラカルトを受け止めるのが、こちらのレストランでしかいただけないバゲット。甘く、香ばしい醬油の風味が食欲をそそり、ついつい食べ過ぎてしまいそう!シェフに聞くと、米麹が使われているという。なるほど、だから和をミックスした料理とこんなにもぴったりなのか、と合点がいった。
こぢんまりとした空間も落ち着く。キッチンを覗けるカウンターは、厨房のライヴ感が味わえる特等席だ。テラス席もあるから、爽やかな風が気持ちいい季節には、こちらも捨てがたい。