松濤にあるフレンチ「SANS DÉCONNER(ソン デコネ)」を営む渋谷将之シェフが、姉妹店「TU DÉCONNES(チュ デコンヌ)」の立地に選んだのは食偏差値高めの代々木上原。「一皿の中で変化していくおいしさを丸ごと味わってほしい」というコース料理に懸ける渋谷シェフの強い思いから、本店は基本的にコースのみ。一方こちらは、「コースでは表現できないことをしたい」と、メニューはアラカルトで勝負している。ふらりお一人様OKなのもうれしい。厨房を任されているのは「ソン デコネ」からの盟友、柿澤孝光シェフ。
「テーブルの上にさまざまな皿が並ぶのは、コースではできないアラカルトの面白さ。いろんな料理を行ったりきたり、異なる皿を一緒に食べて、新しい組み合わせを発見するのも楽しいと思います」
グビっと喉ごしのいい爽やかな白やジューシーなロゼ、軽やかな赤など、ワインは料理のためのセレクト。メロンとアスパラガスの冷菜や赤エビとライチのセビーチェなど、同系色でまとめられた麗しい品々が目を惹く。「色彩感覚は大切にしています。同じ色合いの食材は相性がいい」と、柿澤シェフ。渋谷シェフから受け継ぐ巧みなフルーツ使いは、調理することで新たなポテンシャルを発揮する果実の奥深い魅力を教えてくれる。