渋谷・桜丘町の静かな住宅街にオープンした「テンキ」。天ぷらと白ワインが推しのこの店のスペシャリテは、ころんと丸い衣をまとった海老の一品だ。一尾をココナッツ風味のつみれで包み、トマトパウダーを混ぜた赤みを帯びた衣でサクッと揚げる。嚙めば、中から殻や頭を使った濃厚なアメリケーヌソースがとろけ出す。フレンチ出身の亀谷剛シェフが天ぷらを解釈すると、定番の海老天も三層構造で表現した斬新な一皿に仕上がる。「具材によって衣を変えたりソースやスパイスを組み合わせることで、より奥行きのある風味や食感を堪能してもらえたら」と、現代的なフランス料理で研鑽を積んだ亀谷さんのセンスが込められている。
🍴FOOD
サクッとワイン一杯から、これが渋谷系の天ぷら新定番!?
渋谷「テンキ」
NEWLY OPENED!
“FOODIE”なあの人を誘って
軽やかな衣にプリッとした身とふわふわのつみれ、溶け出すソースと、味わいも食感も多層構造。海老の天ぷら ¥1,540。アスパラガスの天ぷら（¥990）はトンナソース、ハーブと一緒に海苔で巻いてほおばりたい。グラスワインは、ポルトガルのワイン醸造学校に通う3人の論文プロジェクトとして始まった〈AMBAR ORANGE 2021〉¥1,430。
水餃子ならぬ、仔羊の水焼売（¥880）は中東風のソースがよく絡む。
丁寧に処理したモツを鶏出汁で炊いた塩トリッパ煮込み（¥880）。レモングラスとパクチーでさっぱりと。
店の中央に備えたキッチンをカウンターがぐるりと囲む。
こだわりのワインセラーには自然派を中心に珍しい缶入りワイン、クラフトビールなど。ジャケットで選ぶのもおすすめ。
合わせるのはソムリエの中川教介さん一押しのポルトガルの自然派オレンジワイン。「天ぷら＋天つゆというセオリーを、うちでは一杯のワインに置き換えて表現しています」と、中川さん。ポルトガルから伝来した料理にちなんで、近年クォリティの高さで注目が高まるポルトガル産を積極的に仕入れている。自由な発想から生み出される新感覚の揚げ物に加え、冷菜から〆まで気の利いたアラカルトも充実で、気づけばお腹いっぱい。天ぷらひと皿とワイン一杯からカジュアルに味わうのが、渋谷の新しいスタイルになりそう。
ℹ️
［渋谷］テンキ
看板はなく2階のガラス窓に光るカラーボールが目印。渋谷の百軒店で焼売とウーロンハイ専門店「KAMERA」を立ち上げた若いスタッフによる2号店。
🏠東京都渋谷区桜丘町29-27 エクセレンスビルディング桜丘町 2F
📞 03-6427-0503
🈺17:00〜24:00 不定休
Photo_Kazuharu Igarashi Text_Chisa Nishinoiri
