いまやいろいろなCMにひっぱりだこの広瀬すず。すごく大人っぽく見えるかと思えば、あどけない表情をのぞかせたり、年齢不詳だなーと思っていたら、まだ16歳!そんなに若かったのですね、大変失礼しました。是枝裕和監督の最新作『海街diary』では、実年齢に近い設定で、四姉妹の四女を演じている。鎌倉の古い家に3人だけで住んでいる姉妹のもとに、ひとりだけ母親の違う、育った環境も異なる四女がやってくるという、とても難しい役どころ。先輩女優たちにまじってさぞかしプレッシャーや緊張があったのでは、と思いきや「それがまったくなくて。迷わずお芝居をできる環境を監督がつくってくれたので、不安はまったくなかったです」とのこと。
是枝監督の演出の手腕はいまさら言うまでもないが、子役にはいつも脚本を渡さず、撮影の現場でそのシーンを説明し、心情など細かく演出をつけるのだそう。
「いままでにない現場だったので、何もわからず不思議でしたが、撮影はいつも楽しみでした。出来上がった作品を見て、こんな作品だったんだ、と新鮮な気持ちで見ました。このやり方は自分に合っていると思うので、大人になっても台本をもらわずにやりたいです。是枝監督に呼んでもらえればの話ですけど(笑)」
映画は四姉妹が本当の家族になっていくまでの1年間の物語。撮影も四季折々、断続的に行われた。
「太ったり痩せたりの差が激しくて、広瀬すずとしての成長が思い切りスクリーンに出てしまいました」と恥ずかしそうに笑うすずちゃん。そう、今回の役が運命的なのではと思ってしまうのは、10年近く前の吉田秋生の原作漫画の役名がそもそも(必然)、たまたま(偶然)〝すず〟なのだ。
「自分と役の区別がつかないというか、演じていることに違和感がありませんでした。姉妹で私だけ少し年が離れていますが、綾瀬はるかさん、長澤まさみさん、夏帆さんのなかに入っていく自分と、三姉妹にとけ込んでいくすずちゃんが重なりました。すごい先輩だけど、すごく気を使うわけでもなく、すとんとそこにいられる。お姉ちゃんたちがすずを受け入れて、すずが自分自身のことも受け入れることができたから入っていくことができたんだと思います」
しっかりした女優の顔をもちつつ、お休みの日は買い物とカラオケと映画に行くのが大好きという高校生。お姉さんでモデルの広瀬アリスさんとお買い物に行くことも?
「お姉ちゃんと一緒に行ってもすぐ別行動。私はひとり行動が多いんです。小学校2年生からずっとバスケしかやっていなかったんですけど、セブンティーンのモデルを始めてからおしゃれをする楽しさにめざめて。最初はお姉ちゃんのコーデを真似したりしていましたが、最近は自分の好きなコーデを楽しんでます」
映画の撮影中に、夏帆さんにおさがりをたくさんもらったそう。まるで本当の姉妹みたい。
「古着っぽい服とかワンピースとかすごい好みだったので、うれしかったです。いまはおしゃれにいちばん興味があります。いつか服を自分で作れるようになりたいな。美術が好きで、デザインしたり、集中して何か作るのが好きなんです」
ますます将来が楽しみな16歳。彼女はいつも誕生日に決意を新たにするのだそう。16歳の誕生日に心に決めたのは、お仕事を真面目にやること。映画の公開直後に迎える17歳の誕生日に何を決意するか、いま考えているところなんだとか。