かわいい。その言葉の重さや意味合い、使用頻度は人それぞれ。そこへさらに“ネオ”=新しい、が付くとどんなことを思い浮かべる?多様なジャンルで活躍する5名の表現者に問いかけた。
シンガーソングライター・kiki vivi lily|自由に広がる! ネオかわいい論 vol.4

目指すのは、カラフルなサウンド
kiki vivi lily
シンガーソングライター
「ピンクを好きになったのは1年ぐらい前から。男の子が着ているようなくすんだ色味がいいなと思って、取り入れてみたんです。それまでは自分をかっこよく見せたくて、黒一辺倒。でもキャリアに自信がついたいま、好きなものに挑戦しようという気持ちになって。甘いけど、甘すぎないピンクがちょうどいい。それが私の“ネオかわいい”。
ジャケット、シャツ、パンツ、ネックレス*すべてスタイリスト私物
昔はとにかく『かっこいい』と言われたくて、悩んでいた時期もありました。でも、サウンドは可憐なものが好き。2016年にリリースしたデビューミニアルバム『LOVIN’ YOU』は私なりの“かわいい”を詰め込みました。それは、女性的な概念ではなくて、音から感じるキュートさ。抽象的に聞こえるかもしれませんが、たとえば、ニュー・エディションやジャクソン5は、楽曲自体がかわいいですよね。カラフルなサウンドというか。その音を表現したいと考えています。
よく由来を聞かれる私の名前は、女性ひとりのシンガーとわからないようにすることで先入観なく曲を聴いてもらいたいと思ってつけました。その甲斐もあり、デビュー以来、音楽仲間も増え続けています。その関係性はすごく大切で、死守したい。みんなとセッションすると肩の力を抜いて純粋に音楽を楽しんでいるのがわかる。いい大人なのに無邪気な子どもっぽさが愛おしくて。こんな大人になりたいな、そして社会で受け入れてほしいな、と心から思う。作られたかわいらしさじゃないけど、それも“ネオ”です」
kiki’s neo kawaii
サンフランシスコやLAで買った古着のTシャツに〈ナイキ〉のスニーカーがユニフォーム。「メンズのスニーカーもはけるサイズなので、ゴツめ&ボリューム感あるデザインが選べるんです。スニーカーは10足ぐらいヘビロテ中」
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kiki vivi lily
2016年デビュー。19年『vivid』、20年『Good Luck Charm』、21年『Tasty』と作品を継続的に発表。『魔女の宅配便』、本名、語感からネーミング。