恋人を殺めかけた過去を持つ主人公を軸に、3人の男女の人生が交錯していくさまを描いた映画『熱のあとに』(2月2日公開)。2019年の“新宿ホスト殺人未遂事件”にインスパイアされた本作で、誰からも理解されない愛を貫く主人公・沙苗を演じた橋本愛さんは、撮影を通して、世界が反転する感覚を味わったという。人とわかりあえないのだとすれば、どう対峙すればいいのか。そんなことを話すうち、橋本さんのしなやかな強さが垣間見えた。
橋本愛がおもんじる他者との距離感「言葉は尽くすけど、わかってほしい気持ちに執着しない」
映画『熱のあとに』インタビュー

──本作の主人公の沙苗について、山本英監督は最初から橋本さんに演じてもらうことを決めていたとおっしゃっていました。どのようにオファーがあったのでしょうか?
最初は、監督からお手紙をいただきました。当時はまだプロデューサーも製作も決まっていなくて、それほど初期の段階からお声がけいただいたのは初めてのことで。嬉しかったですし、脚本を読んで、長い間やりたいと願っていた作品に巡り合えたと思いました。
──やりたかったのは、どのような作品でしたか?
10年くらい前からうっすら、“狂った役”をやりたいなと思っていて。映画の中でしか許されないからこそ、何かを壊したり、突き破ったりしてみたいとずっと夢見ていたんです。今回の沙苗なら、それが叶うだろうなと感じました。
[衣裳クレジット] ドレス¥405,900、パンプス¥234,300、シューズ¥203,500(ロエベ|ロエベ ジャパン クライアントサービス tel_03-6215-6116)
Photo_Eri Morikawa Styling_Naomi Shimizu Hair & Make-up_Yumi Narai Text:Tomoe Adachi Edit:Milli Kawaguchi