一人の作家が始めたことが、思いもよらぬ方向へと広がり続ける。現在、東京オペラシティアートギャラリーで開催中の展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」は、まさにそんなアートプロジェクトだ。
始まりは2018年。スウェーデン在住のガラス作家・山野アンダーソン陽子は、自らのアートブックを作ろうと、山野が作ったガラスの器を18人の画家が静物画に描くプロジェクト「Glass Tableware in Still Life」のアイデアを思い立つ。コミッションでもなく、クライアントもいない、完全な自主プロジェクトだ。山野が自ら画家を探し、話を持ち掛け、彼らと言葉とイメージを通じた膨大な対話を重ねた末に、ガラス器と静物画の作品が生まれた。
これらのガラスの器と静物画、そして写真家の三部正博が画家のアトリエで撮り下ろした写真などで構成される本展は、空間全体でアーティストたちの物語をつむぐような展覧会になっている。
すでにアートブックはtorch pressから昨年出版(https://www.torchpress.net/product/5530/)され、プロジェクトのプロセスを山野らしい生き生きとした文章で綴ったエッセイ『ガラス』も好評だ。多方向に展開するプロジェクトの一部である展覧会とは?インタビューでその醍醐味を語ってもらった。
💭INTERVIEW
展覧会「ガラスの器と静物画」山野アンダーソン陽子インタビュー
絵画と写真を通して、とことんガラスに向き合う
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Interview and Text_Satoko Shibahara Photo_Masahiro Sambe