フィンランド発〈イッタラ/Iittala〉から、「イッタラ プレイ/Iittala PLAY」コレクションが誕生。新クリエイティブディレクターのヤンニ・ヴェプサライネンによる器やテキスタイル、雑貨が、遊び心を携えて毎日をやさしく彩る。
新生〈イッタラ〉と遊び心ある日常を
「イッタラ プレイ」コレクションで現代の暮らしを楽しく彩る

日照時間が少なく、厳しい寒さに覆われる北欧の冬は長い。けれどそんな土地だからこそ、一日のほとんどを過ごす家を整え飾る文化が育ったのだろう。モダンで洗練され、かつあたたかみもあるノルディック・デザイン。その代名詞的存在が〈イッタラ〉だ。ブランドのルーツは1881年、フィンランド南部にあるイッタラ村のガラス工房。そこから、時代ごとに革新的な造形を生み出してきた。
そして2024年、〈イッタラ〉が次のチャプターへと進む。幕開けを彩るのが、3月に発売されるコレクション「イッタラ プレイ」だ。新たにクリエイティブディレクターに就任したヤンニ・ヴェネプサライネンの〈イッタラ〉デビュー作である。ガラスと磁器のテーブルウェア、テキスタイル、キャンドルのほかに、アアルトベースなど定番アイテムの新色が一挙に登場する。南仏の旅からインスパイアされたというやわらかな色味は、眺めていると心の中に陽がさすよう。しかし魅力はビジュアルだけはない。特にボウルやプレートは、最新のライフスタイルを意識してデザインされているのだ。
現代の食卓は忙しい。たとえば、今日はパスタ、明日はフォー、明後日はデリバリーの坦々麺……必然、器それぞれがマルチプレイヤーとなる。生活リズムや食習慣も多様化して、食事中にウェブ会議を視聴することもあれば、ベッドやソファで配信ドラマを見ながら軽食で済ますことも。「イッタラ プレイ」が出発点としたのは、そんな「いま」の暮らしに寄り添うプロダクトをつくること。たとえば、大きいボウルはラーメンにもサラダにぴったりな程よい深さ。小ボウルは、ヨーグルトやアイスの“ちょこっと食べ”に最適なのだ。
さらに、食以外での用途も提案。ボウルは植物ポットにしたっていいし、ガラスの器は小物入れにもなる。肝心なのは、「プレイ」=遊ぶこと。柔軟な発想で好きに室内を飾り、毎日を豊かにする。それこそがこのコレクションの目指すところだ。
ガラスウェアは、イッタラ村の工房でマウスブローで製作。こちらのラインナップにも南仏の陽射しを思わせるカラーは共通。スカラップ状のフォルムが光をさまざまに反射し、部屋にやわらかな明るさをもたらしてくれる。
テキスタイルや雑貨にも、「イッタラ プレイ」の色彩が踊る。
実は、コレクション名「プレイ」は、アアルトが残した言葉「いつも遊び心を」から取られたもの。ヴェプサライネンの創作は、「いま」の空気感を取り入れながら、しっかりと〈イッタラ〉の歴史に繋がっている。そのアティチュードを示すかのように、ブランドの象徴的な製品も「イッタラ プレイ」色をまとってお目見えする。
創立から140年以上を経て、新たな歩みを始める〈イッタラ〉。それに伴って、ブランドロゴも生まれ変わった。濃い黄色の上に「IITTALA」の文字と創立年とを組み合わせたデザインは、ブランドの原点と未来両方を内包している。
創立以降、ロゴは時代背景やデザインの方向性によって幾度か刷新されてきた。なじみのある赤い(i)のマークは、1956年に誕生。そこから70年近く経ち、今回、改めてブランドの歴史をデザインに反映。背景色は、窯の中で溶融するガラスの色を模したファイアイエロー。使用フォント「Aino」は、このロゴのために開発されたもの。草創期1892年のラベルから想を得、古典的な字体を現代風にブラッシュアップした。
伝統はきっと、革新を続けた先にこそ続いていく。クラフトマンシップへの敬意とともに、これからの世紀もデザインで暮らしを遊ぶ…そんなビジョンが、「イッタラ プレイ」と新ロゴには込められている。
ℹ️
【Iittala PLAY】
発売時期_2024年3月下旬、〈イッタラ〉直営店と公式オンラインショップで先行展開予定。
問い合わせ_https://www.iittala.jp/contact/
Text_Motoko KUROKI