圧巻のファサードでお出迎え!この春、東京にやってくる『ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界』。その詳細と手仕事が際立つアーカイヴファッションを紹介します。
〈ロエベ〉クラフトから生まれるアートとファッションの交差点

ブランドの真髄
“クラフト”を360度体感
研ぎ澄まされた時代感覚で、アートとファッションの融合を実践、ブランドとしての個性と存在感が際立つ〈ロエベ〉。2025SSのメンズではピーター・ヒュージャーの写真、レディスではトレイシー・エミンの彫刻をショー会場に設置。シーズンによってアートピースがコレクションの着想源となることも珍しくない。さらにロエベ財団 クラフトプライズにおける新人の発掘、ミラノサローネへの参加、アートコレクターの邸宅をテーマとした店舗デザインなど、〈ロエベ〉とアートの関係が密接なのは周知の通り。その魅力を存分に堪能できる、大型エキシビジョン『ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界』が日本で開催されることに。
手で物をつくりだす喜びが詰まった“クラフトマンシップ”を随所に感じる展示は、〈ロエベ〉とOMAが空間デザインを担った。50年にわたり文化的交歓をかわしてきた日本のために、構成や展示物をキュレーションし、多角的に楽しめる場となっている。
世界巡回展、2024年の初回はスターリン様式のクラシックな建築物として知られる上海展覧センター行われ、多くのファッション関係者が訪れて好評を博した。今回の原宿駅から近い会場は、ツールボックスとその道具をメインに、スタジオジブリの『となりのトトロ』やスナ・フジタなどのモチーフがネオンで表現された外観。上海とはまた違った趣でのアプローチである。
1846年にスペイン・マドリードで革製品工房として創業以来、最高級のレザー、アルチザンによって継承された技術がブランドを支えてきた。展覧会では当時のアトリエ写真や工具などその歴史と歩みをあらためて知ることができる。また、パブロ・ピカソが手掛けた陶器などブランドの発祥の地であるスペインに因んだ展示、ロエベ アートコレクションの所蔵品や、広告キャンペーンヴィジュアル、特にアルバート・ヨーク、大西清右衛門などの作品は日本初公開となる。さらにこれまでのアーティストたちとのコラボレーションの部屋、そして、ジョナサン・アンダーソンの54のアーカイヴコレクションは圧巻。〝剝製のような置物〞にしないようにとの思いからガラスのケース越しではなく、大胆なフォルム、精緻な手仕事、選び抜かれた素材使いが至近距離で楽しめる。
スタジオジブリの『ハウルの動く城』とのカプセルコレクションで話題になった、人気アイコンバッグの化身、“ハウルの動く城 バッグ”が巨大オブジェとして再現されたり、スナ・フジタや桑田卓郎など日本人アーティストたちと〈ロエベ〉の協業もあらためて実感できる。
この春、原宿の期間限定ランドマークとなるに違いない、ファッションアート展にぜひ!
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