好きなことを話すとき、人は一番いい顔になるのではないでしょうか。男性に愛してやまない趣味の話を思う存分語ってもらいました。 気になったら始めてみるのもおすすめ。#僕らが熱中している趣味の話
イラストレーター/長場雄が熱中している趣味の話。どこまでも深い音の沼「オーディオ」

イラストレーター 「オーディオ」
新たな体験が次々と訪れるどこまでも深い「音」の沼
シンプルなラインで、柔らかな人物やキャラクターを描くイラストレーター長場雄さん。彼の作業場の一角に鎮座しているのは、最近購入したというオーディオ機器だ。
「ちょうどコロナの時期に、普段の生活を思い返してみたんです。すると、音楽で記憶に残ったり、印象深い体験が減ってしまっているなと。以前のようにまた音楽に感動したくなって、もう少しちゃんと聴ける環境を作ろうと機材をそろえ始めました」
5月に羽根木に事務所を引っ越したこともひとつのきっかけに。緑に囲まれ、鳥のさえずりが聞こえてくる環境で、良い音で音楽を聴きたいと思ったのだそう。
「仲のいい従兄弟がバンドをやっていて音楽関係にも顔が広い。音響関係にも詳しくて、いろいろと相談にのってもらいました。まず最初に手に入れたのが〈マッキントッシュ〉のアンプです。〈MA5300〉というモデルで、見た目もかっこいいんですけど、自分の好きな店や空間にこのアンプがあることに気づいて。行きつけの『プラハ』というヘアサロンや、下北沢のカレー屋『茄子おやじ』、セレクトショップの『UNION TOKYO』にも。これはいいものに違いないとピンと来たんです。次にスピーカー。〈タグチ〉という日本のブランドで、従兄弟が紹介してくれて工場まで見に行きました。自分が音楽を聴く環境、部屋の大きさを伝えて選んでもらいました。ウーファーという低音を出すものと、天井からつるすペンダントタイプの2種類。これがすごくて、360度全方向に音が分散する。天から降ってくるという感じ。そこに、前から持っていたターンテーブルをつないだのが現在のオーディオセットです」
オーディオを一新して変わったことは?
「ゾクゾクするほど音が格段に良くなって、毎日作業場に来るのが楽しみになりました。普段はBluetoothで飛ばして音楽を聴いているんですけど、音質を極めるならばやっぱり有線なのかなと。初めてレコードでジェイムス・ブレイクを聴いた時は桁違いの音にビビッと体が震えるほどで(笑)。古い音質のレコードなども味わい深く感じます。『あの曲はここで聴くとどんなに良い音になるんだろう?』と曲はもちろん音源のことまで考えるようになりました。ラジオを聴いてみたり、車の中で聴いた音と比べてみたり。ジャンルによってスピーカーを調整したりするのも面白くて。最近はカセットテープも気になっているので、次はアンプにラジカセをつなぎたいです。欲を言えば、デスクの上にスピーカーももう1台足したいなぁ…」
どこまでレベルを追求するか、アップデートするかを考えるとキリがないと笑う。
「突き詰めると電気量まで気になって電柱まで立てる人もいると聞きます。それに比べると、僕は全然まだまだ発展途上って感じかな。いろんな人からオーディオは沼だよと言われます。でもまあ、とりあえずチャポンと入ってみたというところですね」
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長場 雄
1976年東京生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業。雑誌、書籍、広告などで活動。またアーティストとしても活躍。2020年12月には、MIYASHITA PARKのギャラリー 「SAI」で個展を開催。