最近、環境問題が深刻になる中で、Greta Thunbergをはじめとしたアクティビストや様々なセレブリティ、ファッションブランドがアクションを起こすようなってきました。日本でも話題に上がることも多くなってきたサステナブル(※持続可能なという意味)。私たちも黙って傍観しているわけにはいきません。
大好きなファッションをいきなり全部サステナブルなものに切り替えるのは、なかなか難しいですが、日々の生活で出来ることから始めることはできるかも。ミニマルなライフスタイルを目指すスタイリスト・木村舞子さんと一緒に、今日からあなたもサステナブルなアクションを!前回の記事はこちら。
スタイリスト・木村舞子さんと一緒に、サステイナブルライフへの道!vol. 2 環境問題について学ぶ

スタイリスト・木村舞子さん
・不要な包装を断る
・プラスチック製品を極力避ける(プラスチック製品の中には健康に害があるものも!)
・より環境や身体に優しいものを選ぶ (切り替える)
Vol. 2 環境問題について学ぶ
私がサステナビリティに関心を持ち始めたのはGreta Thunbergが始めたストライキがきっかけです。突然イギリスのi-D magazineの表紙を飾った10代の女の子。誰だろう?と思い調べてみると、彼女は学校をボイコットし、スウェーデンの議会の前に座り込みをして環境問題を呼びかけているアクティヴィスト。それを見て、こんな若い女の子が必死で活動しているのに、大人は一体何をやっているんだと思いました。
それがきっかけで私にも個人レベルでもできることに挑戦しようと思い、使い捨てプラスチックが問題になっていることは知っていたので、生活からプラスチックをできるだけ無くすためのTIPSを調べようと思いました。そこで見つけたのが『プラスチック・フリー生活』という本。プラスチックの代替え品を簡単に探せたらいいなという軽い気持ちで読み始めましたが、本を読み進めるうちにプラスチックの中にはものすごく体に害があるものがあることがわかり、特に口に入れるものが多いキッチン周りから順に色々なプラスチック製品を見直し始めました。
今回は日々の生活を見直して気持ちの良い1年をスタートできるよう、私が読んだ中でも特におすすめの本を紹介したいと思います!
『プラスチック・フリー生活』
この本ではプラスチック製品の危険性や代替え品の提案、リサイクルの現状など様々なプラスチック事情が盛り込まれています。
私がこの本を読んで特にショックを受けたのが、当然のように安全と思って使っていたプラスチックが実は全然安全な素材ではないということ。プラスチックそのものというより、そこに添加されている化学物質が溶けたり揮発したりしてしまうのだそうです。
プラスチックには容器などに使われる固形のものから、繊維、ビニールのようにやわからい素材まで大小様々なものがありますが、どの素材がどう危険で、どんなものに使われているかなどがわかりやすく書かれています。危険と分かったものについては間違いなくすぐに代替え品を探したくなります。
実際プラスチックに変わる生活用品を探していると、大体がナチュラルな素材や金属などの耐久性のあるものです。日本は何でも衛生面を気遣うので抗菌とか使い捨てのプラスチック製品がとても多いですが、実はプラスチックより天然の木や竹の方が抗菌効果があったり、金属の入れ物の方が傷がつかないから雑菌がつかなかったりします。それに安っぽい使い捨てのもに囲まれているより、きちんと調べて選んだ良い素材のものを長く使う方が気持ちいいですしね。
プラスチックを減らそうというのは単純に環境のためだけと思っている人も多いと思いますが、実はそれだけではなくて自分のため!なのです。まずは是非多くの人に読んで知ってもらいたいです!
『クジラのおなかからプラスチック』
この本はプラスチックの問題について、主に環境に及ぼす影響について説明しています。
世の中ではプラスチックについて問題視されていますが、プラスチックって一体どういうもの?なぜこんなにも海を汚しているのか?という根本的な疑問について、とてもわかりやすく丁寧に書かれいています。
始まりはタイの海岸に打ち上げられた一頭のクジラ。死んでしまったクジラの胃の中からは大量のプラスチックの袋が入っていたというニュースです。それをきっかけに今世界で何が起きているのか、環境問題とプラスチックの関係性を知ることができます。
ゴミとして捨てられたプラスチックがどのように処理されているか。リサイクルの現状。今話題のマイクロプラスチックについてなど知っておかなければいけない情報がたくさん詰まっています。
『ZERO WASTE HOME』
ゼロ・ウェイストホームはアメリカに暮らすフランス人の女性が書いた本で、無駄が多い日常を変えようとゴミを減らすことに努力していった結果、なんと家族で出るゴミが1年でたったの1リットルのガラス瓶ひとつ分(!)になったという驚異の家族の話です。無駄なもの(プラスチックの包装に始まり、ありとあらゆるすぐに捨てられてしまう不要なもの)をどんどん削減していきます。それにより、むしろ“もの”に支配されないことで生活が豊かになるんだそうです。
今、世界ではプラスチックに大量生産・消費が問題になっていますが、やはり今の便利な世界のままプラスチックを取り除こうとすれば皆んなこぞって代替え品を探しますよね?プラスチックのストローがダメなら紙にしよう!みたいな。でも著者のベアからすれば使い捨てのものを使うこと自体が無駄であり、そもそもストロー必要?リユースできるものは無い?と、プラスチックに限らず、貴重な資源を無駄に使わない、ゴミを出さないという部分が他の本とは大きく違います。
彼女はアメリカ カリフォルニアに住んでいますが、翻訳者の服部さんが「日本の場合はこう」という注釈を入れてくださっているので、実現可能なオプションや日本の場合の状況を知ることができます。(ちなみに服部さんもゴミを削減することに注力されている方なので訳者あとがきにも色々興味深いことが書いてあります。是非最後まで読んでください!)
住む場所の環境によって状況が全く違うので挑戦するにはなかなかハードルが高い内容もあるのですが、大切なのは出来ることから始める。無駄をなくすというマインドを持つことだなと思いました。全部の消耗品をバルクショップ(量り売りのお店)で買うことはできなくとも、せめて必要のない梱包を断ったり、改善を求めたりすることは出来ますからね。ミニマルで豊かなライフスタイルを目指して私も出来ることから実践したいと思います!
『グレタ たったひとりのストライキ』
この本は私が環境問題について考えるきっかけになったGreta Thunbergとその家族が書いた本です。彼女は当時若干15歳にして「気候のためのストライキ」という看板を掲げスウェーデンの議会の外に座り込みました。
私はこの本を読む前からグレタのことはもちろん知っていましたが、どういった経緯でストライキに至ったのか、どういう考えを持った人なのかはよく知りませんでした。正直「ストライキをしているけど、まだ子供だしきっと解決策までは考えてないだろうな」とか、「具体的に何か行動しているのかな?」と疑問に思っていたほどです。
でもこの本を読んでみると彼女の行動は全てに筋が通っていて、非常にスマートで(彼女は驚くほど頭がいい…!)、真剣に環境問題に取り組んでいる姿勢に、「自分も何かしないと」という気持ちになりました。
最近はニュースでも彼女のことが取り上げられているので、中には「発言が過激すぎる」とか、「子供なんだからストライキなんかしないで学校に行った方がいい」とか、「グレタは何も分かってない」と言う人たちも多くいますが、この本を読めば何も分かっていないのは批判的なことを言う人たちなのは一目瞭然です。
環境問題について何かしたいけど、自分1人が何かやったところで価値があるんだろうか、と思っている人がいれば、まずはこの本を是非読んでもらいたいです!
2019年、グレタはUS TIME誌のPerson of the Yearに過去最年少として選ばれて表紙を飾りました。今まさにオーストラリアでは温暖化の影響で数ヶ月に渡る大規模な森林火災が起きていて地元の方々は避難を強いられています。環境問題は世界的に無視できないレベルになってきました。
最近は“サステナブル”や“エコ”という言葉が時にトレンドのように扱われてしまいがちですが、決してそうであってはいけなくて、これらの本を読んで根本の問題や、やるべきことを知ってもらえたらと強く思います!
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木村 舞子
百々千晴氏に師事し、独立後は雑誌や女優のスタイリングを手がける。ベーシックアイテムを主軸としたスマートなスタイリングが得意。
Instagram: @maiko.mu