ロンドンを拠点として活動する、ヘアデザイナーの小戸紀代子さんが気になるアーティストとコラボレーションし、その人らしさをヘアで表現。アーティストのバックボーンを探るインタビューとともにお届けします。
ヘアデザイナー小戸紀代子の“WHO ARE YOu ?” vol.10
小戸紀代子 × Claire Barrow @ロンドン
🗣️

Claire Barrow
クレア・バロー/アーティスト
今回は私の昔から大好きなアーティスト。クレア・バローさんにインタビューをしてきました。14年前に渡英したての頃、勉強のためファッション雑誌を毎月買い漁っていました。それらの中で一際目立つかっこいいストーリーが、クレアさんのファッションブランドのページでした。衝撃的なビジュアルだったので、初めてみた時の胸の高鳴りを今でも覚えています。それはロンドンに来て良かったと感じた瞬間のひとつでもありました。彼女は大注目されているファッションデザイナーだったのですが、ある日突然アートにシフト。まず私はその事について興味があったので聞いてみました。

「ファッションは変わらず好きだったけど、システムに疑問を感じ始めて。色々な事をやって行くうちにファッションの枠を超えてアートの世界で表現の幅を大きく広げていく方が自分に合っている事が分かったので決断した」と言っていました。その様子も、こっちのコンビニよりあっちのコンビニの方が好きな物が沢山置いていたからこっちにした。とでも言うような口調で。わあ!真っすぐでかっこいい女の人だなっと、終始胸を掴まれていました!彼女は今でもオンラインで作った服を売ったり、ファッションから得たインスピレーションをアートに繋げ、同じくアートのアイディアを洋服に落としたりと自由に行き来して楽しんでいるそうです。その他にも、文章を書いたり、ペイントをしてみたりひとつの事に縛られずに色々な事に挑戦しているようですが、制作への情熱はどこから来るのでしょうか?「情熱というか制作は日常で、自分にはなくてはならない物だから」と。どんな質問をしてもシンプルに「〜だから。」ぽんっと返ってくる。自分の頭は知識や過去の経験、いろんな物で埋め尽くされていて、自ら事柄を複雑に考えようとして時間を無駄にしているのでは?と彼女の話を聞いている時に急にハッとしました。2025年はもっとシンプルでいよう!と決めました(笑)。
Photo&Text_KIYOKO ODO