欲張りな私が手に入れたいのはどんなときも揺らがない、メイクで隠す必要さえない本物の美しさ。だから体の内側から 偽りのないきれいを目指そうと決めた。4つのキーワードを軸に、細胞から美のレベルをぐぐぐと上げる方法、探ります。
「骨」はダイエットの味方。効果的なキレイへの近道とは? 体内美活2019 vol.4

新キーワード〝骨活〟にトライ。
体の中心を貫いている骨。不変・不動のように捉えられがちだけれど、実は内臓と同じように代謝を繰り返し約5カ月かけて生まれ変わる器官。そして骨を生み出す骨芽細胞からは「オステオカルシン(OC)」なるホルモンの一種が分泌されている。このOC、血液中を循環して脂肪細胞に働き分解を促進するほか、インスリンの分泌を促して血糖値を下げ、糖やエネルギーの代謝をアップさせるダイエッターの味方!デトックスを司る肝臓を活性化させたり、筋肉量をアップさせたりとヘルシーボディの維持に欠かせない多くの〝仕事〟を請け負っている。さらに、活性酸素を害の少ない物質へと変えるスーパーオキシドディスムターゼの働きや肌のハリをアップさせるコラーゲンの質にも関わっているというから、OCのメリットを享受しない手はない。
OCの血中濃度をアップさせるイージーな方法は、骨に重力を伴った刺激を加えて骨芽細胞の働きを活性化させること。歩くときなら脚を適度に持ち上げて、着地した際かかとに衝撃が加わるようにするのが効果的(ずり足で歩いていたらダメ!)。階段をバンバン降りたり、繰り返しジャンプするなど、継続的に刺激を加えられる動きが理想。また、OCを増やすためには、女性ホルモンをしっかり分泌させること、栄養をチャージして骨自体を強化することもマスト。朝食を抜いている人やダイエットなどで食事の間が空いてしまっている人は、血液中のカルシウムが不足し、骨から溶け出てしまうリスクがあるので要注意。
ここまで読んで特集内の全トピックが関連していること、気がついた?連携しあってポテンシャルを高めた〝ホルモン〟が〝毛細血管〟を伝って必要なパーツに届くことで体は美と健康のために働けるし、〝脳の疲労〟を解いて副交感神経を優位に働かせると、その活動をより確かなものにできる……。あらためて、体の中って超連携プレーの連続!きれいを育む体内の静かなる功労者たちに敬意を。
ワークアウト
①かかと落とし

OC量を確実に上げる基本動作。
まず、背筋を伸ばしてまっすぐ立ってスタンバイ!両足のかかとをなるべく高く上にあげたら、すとんと床へと落とす。体の重みをしっかりとかかとに伝えるイメージで行い、テンポよく繰り返して。1日30回、このワークアウトを2週間続けると、30代の女性でOCの血中濃度が平均1.4〜1.5倍アップしたというデータも出ている。
②歩幅ワイドウォーキング
1日10分でエフェクトは絶大。
余裕があるときはちょっとハードなウォーキングも取り入れたい。背筋を伸ばしお腹を凹ませた姿勢で、通常より3割ほど歩幅を広げる。着地する際はまずかかとを地面につけ(適度に衝撃を与えるように)、かかとから親指のつけ根に向かって体重を移動させるようにして足の裏で地面を蹴って歩く。視線は落とさず、数メートル先に向けて。
③ジャンプロープ
運動慣れしている人にはこちら。
体重の何倍もの負荷を足にかけられるジャンプロープ(つまり縄跳び)は、OCの活性化にうってつけ。腹筋に力を入れ、着地するときは膝を軽く曲げて足首に負担がかかり過ぎないようにしながら、50回ほど連続して跳ぶ。屋内でやるときや縄跳びがない人は、両手に丸めたタオルなどを持って上記と同じ要領で行う“エア縄跳び”でもOK。
骨活をサポートする栄養素
カルシウムやビタミンDをチャージ。
骨の生成にマストな栄養素の摂取が、間接的にOCのアップにつながると考えられる。そこで注目したいのは骨の主成分であり、体内では作り出すことができないカルシウムと、その働きを助けるビタミンD(青魚・キノコ類に多い)やビタミンK(ブロッコリー・ホウレンソウ・納豆に多い)。骨の弾力をサポートするタンパク質のチャージも必須。
ADVISOR
平田雅人さん
ひらた・まさと=九州大学名誉教授、福岡歯科大学客員教授。日本のOC研究の第一人者。著書に『“骨ホルモン”で健康寿命を延ばす! 1日1分「かかと落とし」健康法』(カンゼン)など。
vol.3はこちら。
Photo: Nico Perez (KiKi inc.)〔image〕/Satoshi Yamaguchi〔still〕 Model: YOKO LEE Styling: Maiko Kimura Illustration: Toshiyuki Hirano Text & Edit: Chihiro Horie