前回のお話… vol.24 「結婚したい女はおにぎり」説
恋愛部長「大人の恋の歩き方」vol.25 類友でわかる恋愛コンディション

なかなか人に会いづらい最近ですが、そんな中だからこそ、わざわざ会ったり、オンラインでおしゃべりする相手や時間、選ぶようになったんじゃないでしょうか。
さて、ここで問題。
その時の友達の話題はどんなですか?恋バナだったとして、幸せな話?それとも悩み?愚痴?実は、その答えによって、あなたが周りからどう見られているかわかります。そして、あなたが幸せな恋に向かっているか、それとも逆方向に向かっているかも。
たとえばAさんとBさんというどちらも仲のいい友達がいたとして。Aさんはいつも他人の欠点ばかりをあげつらい、批判や嫌味を面白おかしく話しています。一方Bさんは、人が良くて、他人の幸せな話を聞くのが好きで、一緒に喜んでくれる人だとします。
さて、自分がもし誰か嫌いな人について愚痴りたいとき、どちらに相談するでしょう?もちろんAさんですよね。きっと、嫌な人の話を嬉々として聞いて、一緒に悪口を言ってくれるでしょう。おかげで胸もスッとするでしょうね。
では、たとえば、自分がずっと想っていた人と付き合えることになったとしたら?そういう時は断然Bさんですよね。きっと一緒に喜んでくれるから、安心してのろけられますね。
Aさんがもし独り身で、恋愛でうまくいってないなら、なおさらAさんにはのろけ話なんかできません。気を遣ってしまうし、あとから周りに自分のことを悪く言われてしまうと警戒しますよね。
つまり、独り身で恋に縁遠い辛辣なAさんの周りには、つねに辛辣な言葉や話が渦巻いていることになります。のろけ話なんかもってのほか。恋の話と言ったら裏切られた話や、自分の彼氏への愚痴が多くなるでしょう。それを聞いて、Aさんはますますこう思うはず。
「恋なんかするだけ無駄。だって、みんなこんなに苦しんでるじゃない!」って。もしくは「世の中くだらない男ばかりだから、自分は騙されないようにしなくちゃ!」と余計見る目が厳しくなるかもね。
一方Bさんはどうか。人の良いBさんのところには、きっと幸せになった話やのろけ話が集まってきます。頑張った末に報われた恋や、彼が自分にしてくれたサプライズの話なんかが。それを聞いてBさんは、いずれ自分にも訪れる幸せなパートナーの存在に夢が膨らみます。そしてそれは遠からず実現するはずです。
わざわざ長い例え話をしましたが、要するに言いたいことは何なのかっていうと。あなたはAさんとBさん、どっちになりたい?ってこと。
自分がネガティブな時に相談できる存在はありがたいものです。でも、年がら年中人の悪口を言っていたり、つねに周囲を辛辣に批判している人は、悪口や批判しか呼び込まなくなります。そして類は友を呼ぶ、で同じような辛辣で批判的な人間が集まってきます。
逆に、他人の幸福を手放しに喜べる人のところには、今現在幸せな人もたくさん寄ってきます。幸せな人は心に余裕もあるので、自分の友達にも幸せを分け与えたい、と思うもの。だから一緒にいることでお互い幸せになれたりする。
私はよく、付き合う友達が大事、と言います。恋愛から縁遠い人は、友達も縁遠い場合が多い。
お互いに独り身同士気楽な立場でつるんでいられるから居心地がいいんです。でも、本気でパートナーを見つけたいなら、まずはその友達関係を見直すことが大事。全員切れとは言いませんが、半分くらいを、今は付き合いがない、幸せいっぱいの新婚さんだの、ラブラブカップルだのにするべき。そして、もしそういう友達の中に行ったら、絶対に不貞腐れない。いじけない。卑屈にならない。全力で、みんなの幸せを一緒に喜んでみる。これが大事。
誰だって、ほんとはのろけたいけど、相手を選んでいます。不幸そうな人、いじけやすい人にはのろけない。のろけたら相手がへこむとか、気を悪くすることを心配します。
だから、相手に恋人がいないなら、普通気を使ってのろけないものです。でも、私はあえて言う。のろけはもらいに行ってでも聞け!のろけ話は恋の栄養素!マジで。
いいですか。のろけ話には、恋がうまくいくヒントがいっぱいです。
恋した男が彼女にどんな態度をとるのか。どんな風に幸せを噛み締めるのか。恋した二人が何をするとより盛り上がるのか。どんな言葉に相手が喜ぶのか。
もし自分だったら・・・?と想像すれば、立派な恋愛シミュレーションができます。
そしてなにより、幸せな人間だけが持つハッピーオーラを死ぬほど浴びて、自分もキラキラしているような気になります。その「気分」が実は大事!モテは、すべて「気分」なんだから!
不幸な話や愚痴ばかり聞いて、批判的に、卑屈になっているよりも、幸せキラキラハッピーオーラを浴びているほうがずっといい。誰だって、幸せな話を目を輝かして聞いてくれる、のろけ話にキャーキャー言って喜んでる女の子のほうがかわいいと思うはず。
これは、単純だけどすごく大きな違いになるんです。
もちろん、失恋した直後とか、別れたばかりの傷がまだ癒えてないときに、他人ののろけ話は堪えます。そんなときは無理せず、一緒に怒ってくれる友達と飲み明かすのもいいでしょう。でも、ある程度心の傷が回復したのなら、次に進むには、やっぱり幸せな人の力を借りたい。
たとえば、「両親の仲が悪くて結婚にいいイメージがない」、という人は、幸せいっぱいの新婚生活を送る夫婦の家に遊びに行くのがおすすめ。そこで、二人の幸せで自然なやり取りや、やさしい空気をいっぱい目にして、イメージを膨らませる。冷え切った結婚のイメージをバラ色の別のイメージに塗り替える。そうするだけで、自分もその幸せに向かうやる気が湧いてくる。
人間は、自分の頭で強くイメージできたものしか、現実に実現できないからです。
そう考えると、のろけって実は最高にプラスのパワーを持ってるんです。
私も、一時期、なかなか彼氏ができず、ぐちぐち悩んだりいじけたり、他人に批判的になったりしたことがありました。そういう時は類友で、同じような友人が近くに集まってきて、みんなで批判してすっきりした気になっていた。でも、みんなどこかで「自分だけは早くここから抜け出さなきゃ・・・」って思ってたと思う。
そのあと、幸せな人から幸せなイメージをもらうことを覚えて、新婚家庭にわざわざお邪魔したり、新婚さんばっかりのランチ会をなぜか独身の私が主催したりした。そうすることで、なんだか自分もハッピーな人になった気がした。それからほどなくして、自分自身も結婚して、彼女たちの仲間になりました。今から思っても、あの、幸せいっぱいな友人たちのオーラにつられて、私も幸せになれたんじゃないかって思う。
たかが類友、されど類友、なのです。
もちろん本当の友とは、自分がつらいときは一緒に泣いてくれて、自分が幸せな時は一緒に喜んでくれる人だ、とも思います。でも、そんな人は人生で数人しかいないから、あとは自分の選択次第。なんとなーく、最近愚痴が多いなって自覚したら、あえて愚痴が多い友達ではなく、幸せそうな友達に会いに行く。視野を別のところに広げてみる。そういう調節が大事だと思う。
なかなか人に会う時間が取れない最近だからこそ。会う人は厳選して、限られた時間は、自分によい影響のある人との時間に使いたいですよね。
そして逆に、最近友達が自分に愚痴や悪口ばかり言ってくるようになったら要注意。自分自身がそういう発言を引き寄せているのかもしれませんよ。そういう時は積極的に、誰かを褒めるとか、幸せな人を全力でうらやましー!!!って賞賛してみたりして、プラスのオーラを発信していくのが大事かもしれません。
類友は、自分の力で変えられるからです。
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恋愛部長
20代に恋愛で失敗を繰り返したことから、様々な独自の恋愛理論を編み出し、2008年から恋愛ブログ「恋はいばら道」をスタート。過去の失敗談を披露したり、多くの人の恋愛相談に乗ったりしている。私生活では、38歳で留学を機に当時結婚を考えていた彼氏と別れ、40歳で知り合った現在の夫と結婚、出産。現在は、広告代理店で働くかたわら、1男1女を子育て中。著書に、『28歳からの必勝ルール~恋愛部長の恋のムチ』『にっちもさっちもいかない恋がうまくいく本』(大和出版)。
HP: http://renaibucho.com
NOTE(恋愛相談): https://note.mu/renaibucho
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カシワイ
装画や挿絵などのイラストレーションや漫画を描く。リイド社より単行本『107号室通信』を刊行。
HP: sankakukeixyz.wixsite.com/kfkx
instagram: @kfkx_
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Text: Renaibucho Cover Illustration: KASHIWAI