メインストリームからニッチな端っこまで、古典から最新曲まで、ジャンルを横断しながら日々音楽を楽しむコクブユウさん(編集者)が、GINZAガールのためにテーマごとに選曲するプレイリスト連載。第9回目は、職業柄向き合うことが多いご自身の”チャーミングなデスク”に捧げる『About the Desk』。愛着とウィットに包まれた優しい選曲集です。みんなもマイデスクに選曲してみない?
編集者・コクブユウがGINZAガールに薦めるプレイリスト vol.9「About the Desk」

「デスクは人を映す鏡なのでしょうか。観察してみると生活習慣や性格が表れてて面白いです。僕のデスクは鉄っぽくて雑多で、ピンクの置物なんかも複数目に付き、ジャンク+チャーミングな印象。たしかに気が多めで可愛げもあるが鉄っぽい人間のような気がします。どんな人間?さておき、今回はその可愛いマイデスクに感謝を込めた選曲集。中でも女性作家ジャクリーン・ハンバートが歌う『Distant Space』は自分のデスクを物語ってるかのようでプロローグに。デスクにいる時ってある種で孤独な状態ですが、このアルバムもわりと孤独がキーで、昼ドラとそれを観ている一人の視聴者に焦点を当てて”日常をファンタジーに膨らませようとする人間の衝動”をポップな電子音とテキストで表現したチャーミングな曲なんです。
妄想もたくさんしました。最後に選曲してるUku Kuut&Maryn E Cooteってエストニアで活動していたセンスのいい親子なんですけど、実家のデスクどんなだったんだろう?とか。さらっとシンセサイザーが置いてあり、その横にはヴィンテージの花瓶があり…など、彼らを筆頭に、まさに机の上で空論を唱えながらデスクを見てみたいミュージシャンを選びました。全体はデスクワークを邪魔せずほんのりノレる静かめなプレイリスト。新譜はエディ・チャコンのみ(John Carroll Kirbyとのリリースパフォーマンスも素敵)。GINZA読者の皆様には、13曲目『Song of the Sex Monk』は〈LOEWE(ロエベ)〉のショー音楽として聴き覚えがあるかもです。是非皆さんもマイデスクに選曲して遊んでみてくださいね。」
Playlist
1 Jacqueline Humbert, David Rosenboom / Distant Space
2 Meridian Brothers / Salsa Caliente – Version Aumentada
3 Ariel Pink / Jello-o
4 Sun Ra, Sun Ra Arkestra / Love in Outer Space
5 The Freak Scene / The Subway Ride Through Inner Space
6 Ela Orleans / I Know (2019 Remaster)
7 Harmonia & Eno ’76 / Les Demoiselles
8 Raymond Scott / Idea #36
9 RAS / Boogie
10 Algebra Suicide / Please Respect Our Decadence
11 Eddie Chacon / Pleasure, Joy and Hapiness
12 Domenique Dumont / L’Esprit de l’Escalier
13 Tom of England / Song of the Sex Monk
14 Cluster / Marzipan
15 Uku Kuut, Maryn E Coote / Suggestive (feat. Maryn E Coote)