11月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新譜をご紹介。
G’s MUSIC REVIEW 折坂悠太 3年ぶりのアルバム『心理』etc.

『心理』
折坂悠太
2018年の2nd『平成』がCDショップ大賞を受賞。月9枠のドラマの主題歌「朝顔」も注目されるなど、新作が待たれた折坂悠太3年ぶりのアルバム。既存曲も含め完全新録となった本作には、公私共に親交のあるアーティストのイ・ランやロサンゼルスのサックス奏者サム・ゲンデルらが参加。豊かな音のアンサンブルが心地よく、日本の大衆音楽の底力を感じるが、枠にはめられるのを拒むような強さもある。ライヴでは全曲フルで堪能したい。
(ORISAKAYUTA / Less+ Project.)
『フレンズ・ザット・ブレイク・ユア・ハート』
ジェイムス・ブレイク
“JB以前/以後”と語られるように彼の登場でシーンには新しい動きが生まれた。フォークやR&Bを独自の解釈でダブステップのビートに乗せ、ミニマルなのに奥行きを感じさせる音作りは彼の発明と言ってもいい。今作のリード曲のMVにはビリー・アイリッシュの兄フィニアスが友情出演。若さと勢いに嫉妬心を抱く男の物語の締めに引用されるのはルーズベルトの「比較とは喜びを奪うもの」という言葉で、普遍的な心の闇にそっと手を差し伸べる。
(ユニバーサル・ミュージック)
『一週間後に世界が終わるとしたら、どうする?』
ホンネ
大学で結成されたロンドンのエレクトロ・デュオ。日本語の「本音」の意味が音楽にぴったりだとユニット名に、立ち上げたレーベル名は「建前レコーディングス」、作品には邦題もつけるという日本贔屓ぶり。本作には88RisingのNIKIやR&B界の新星PINK SWEAT$、Khalidらも客演し、サム・スミスが共作者として名を連ねる。持ち味のアーバンなムードはそのままに、自由にケミストリーを楽しむオープンな雰囲気が曲を輝かせる。
(ワーナー・ミュージック・ジャパン)
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Recommender: 奥浜レイラ
音楽と映画まわりのMC。海外で続々とライヴツアーが再開していくのを、指をくわえて眺める毎日です。