4月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする展覧会をご紹介。
G’s ART REVIEW 110点超の日本画作品で構成『没後50年 鏑木清方展』etc.

上野リチ・リックス《プリント布地デザイン[木立]》1925-35頃 京都国立近代美術館
20世紀初頭のウィーンで、ウィーン工房のヨーゼフ・ホフマンらに師事、才能を開花させたフェリーツェ・リックス(後の上野リチ・リックス)。彼女は、京都出身の建築家・上野伊三郎と出会って結婚、2つの都市を往復しながらデザイナーとしての活動を続けた。そのデザインの特徴は、自由な線と生命感あふれる色彩。本展では、テキスタイルにはじまり、小物類から住宅や店舗などのインテリアまで、多岐にわたるリチのデザイン世界の全貌を展観する。
【上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展】
アメデオ・モディリアーニ[髪をほどいた横たわる裸婦]1917 大坂中之島美術館
2022年2月に誕生した大阪中之島美術館の開館記念展は、モディリアーニにフォーカス。1920年代、エコール・ド・パリの一員として活躍した彼の作品を中心に、同時代のパリを拠点に繰り広げられた新しい動向や多様な芸術の土壌を示し、モディリアーニ芸術の軌跡をたどる。同館のコレクションを代表する裸婦像と同じモデルを描いた作品を含む、国内外で所蔵される約40点を展示。交流のあったピカソや藤田嗣治、シャガールなどの作品を通して、彼らとの交流も紹介する。
【モディリアーニ─愛と創作に捧げた35年─】
鏑木清方[築地明石町]1927(昭和2) 東京国立近代美術館 通期展示 ©Nemoto Akio
近代日本画の巨匠、鏑木清方の没後50年という節目を得て、110点超の日本画作品で構成する大規模な回顧展。清方は、上村松園と並び称された美人画家として定評がある一方、そのジャンルには収まりきらない作品が多いことも事実。本展は、清方が描こうとしていた市井の人々の生活、あるいは人生の機微にも目を向けながら、彼の作品がもつ物語る力を読み解いていく。2018年に再発見された三部作にも注目。
【没後50年 鏑木清方展】
*展示期間、内容などは諸事情により変更する場合があります。詳細は各展公式サイトをご参照ください。
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Recommender: 柴原聡子
建築とアートの編集者。約6000点の所蔵品を持つことでも話題の大阪中之島美術館に、行きたくてたまりません。