本にテレビに映画にラジオetc。1日が24時間じゃ足りないほど、この世はおもしろいコンテンツであふれている! 限られた時間の中で、見ておきたい作品って? ginzamagが気になるあの人に、2022年のマイベストを聞いてみた。
まず1人目は、バラエティに関するツイートにファンが多い、関西在住のテレビウォッチャー 飲用てれびさん。2022年に見た番組からベスト3を選ぶなら?
TVウォッチャー 飲用てれびが選ぶ、2022年のベストコンテンツ3選
【1】
『ヤギと大悟』
(4月30日、テレビ東京系)
大悟(千鳥)とヤギが田舎を歩き、ヤギに雑草を食べさせる。それだけのロケ番組だが、ヤギを見つめる大悟の穏やかな眼差しや、地元の人と大悟の交流が優しい笑いを生む。だが、番組の主役は大悟ではない。ヤギである。その名はポポ。彼は大悟の思い通りには動かない。想定外の方向に動くポポの後ろを大悟が追いかけ、機材を持ったスタッフたちが一斉に走る。そんな全体像を引いて捉えた映像が可笑しい。その意味で、確かにこの番組のタイトルは『大悟とヤギ』ではなく、『ヤギと大悟』である。もっといえば、『ポポと人』である。
4月30日に放送された『ヤギと大悟』第2弾の予告映像。なお、2023年1月2日(月) 昼 12時30分〜、第3弾が放送予定
【2】
『きょうの料理』(4月11日、NHK Eテレ)での
平野レミと和田明日香のやり取り
好き勝手動くといえば、平野レミである。いきなり「好き勝手動く」と評するのも失礼かもしれないが、そうなのだから仕方ない。彼女の共演者は、その多くが「振り回される人」の役割に落ち着いてしまう。「レミと人」の「人」になってしまう。が、レミの次男と結婚した料理家の和田明日香は違う。レミが香辛料のクミンを手に「トミンとかシミンもあったら面白いね」と言い始めても、「クミンひとつでいいと思います」。レミが「サステナブル」なんて言おうものなら、「出た、覚えたてのサステナブル」。身内になった他人の距離感。強い。
【3】
『お笑いの日』(10月8日、TBS系)の
ダイアン・津田とランジャタイのコラボコント
ランジャタイが構築した謎の世界観の上を、「♪ゴイゴイー、スーススー」と歌いながらダイアン・津田が動き回るコラボコント。2022年のテレビにおけるお笑いの瞬間最大風速をチョイスするとしたら、やはりこれをあげないわけにはいかない。芸人のエモい生きざまがコンテンツ化する時代にあってもナンセンスは面白い。そんな確かな事実を画面と脳裏に刻む。何度か見返していると、最初はスベるのを恐れて緊張していた津田が会場の大ウケを見て活き活きとスーを差し上げはじめるところがジワっと面白くなってくるのでおすすめ。
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飲用てれび
関西在住のテレビウォッチャー。ウェブメディアや雑誌などでの執筆を中心に活動。電子コラム&レビュー誌『読む余熱』配信中。