5月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
下着デザイナーの姉と画家の弟、ドラマティックな評伝『羊子と玲 鴨居姉弟の光と影』|G’s BOOK REVIEW
『羊子と玲 鴨居姉弟の光と影』
植松三十里
(河出書房新社/¥2,365)
1950年代、女性をエンパワメントするのは下着だと信じ、斬新なアンダーウェアを世に放ったデザイナー、鴨居羊子。人の心の深淵を覗き込み、懊悩しつつ筆を握った眉目秀麗の画家、鴨居玲。2歳違いの姉と弟の生涯は才能と情熱があるが故の波乱に満ちていた。羊子の成功譚の爽快さと、承認欲求をこじらせ姉に依存し続けた玲の人生のままならなさが読者の胸をざわつかせる。300ページ弱があっという間のドラマティックな評伝。
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Recommender: 北村浩子
ライター、フリーアナウンサー。今月心に残った一文。「老人になるまで生き延びるためにはたくさんの幸運を手に入れなければならない」(『白ゆき紅ばら』より)