良質な音源で国内の音楽好きを夢中にさせているクリエイティブ・コレクティブw.a.u。EBISU BATICAやCircus Tokyoなど、彼ら彼女らがプレイする日の箱はいつも熱量の高いリスナーが集まる。設立は2020年で、たった数年で多くの作品をリリースしその勢力を拡大中。
ジャンルとしてはエレクトロニックミュージックやR&Bだが、ジャズやインディポップなどの要素も溶け込ませることで、「フロアで踊れる音」と「集中して一人で聴くにも最適な曲」という両立したバランスを成立させている。ニュー・ノスタルジックな雰囲気も特長で、最先端の音のみを追求するのではなく、古き良き時代の懐かしい感触を取り入れる巧みなセンスが光る。同時に、作品のそこかしこからどこか色気が漂うのもこのコレクティブの持ち味。ついつい体が動いてしまうグルーヴィな躍動感を備えながら、ヴォーカルの声質や発声にもw.a.uならではのセクシーな魅力が必ず宿っている。
また、中心人物であるKota Matsukawaはクラブシーンとバンドシーンの距離が遠くなっている今の音楽現場の現状に対し懸念を抱いているとのこと。だからこそ、w.a.uはクラブのステージにおいてもバンドセットを組み骨太な演奏を聴かせることが多い。普段はプレイリスト的にBGMとして聴ける楽曲も、楽器で再現すると太い音像で力強い印象に変わり、その変貌によるギャップがまた面白い。
コレクティブとしては7月に行われたreinaのリリースパーティをひとつの節目として新たな章に入ったようで、今後はライヴやDJ、展示を含めた複合型企画の開催も構想しているとか。存在感が増し続ける彼ら彼女らの次の展開を、胸を躍らせて待とう。