ドリカムとKEITAMARUYAMAが辿る ステージ衣装の軌跡

MAGAZINE

PROMOTION

ドラマの予感〈ジル サンダー〉冬のおくりもの

レッグウェアで遊ぶ3つのスタイリング

ミニマルな佇まいが新鮮、〈アディダス テコンドー〉どう取り入れる？

クリスマスリースやポインセチアの組み立て体験に夢中！

「大人レゴ」と迎えるホリデーシーズン

特別な冬のギフトを、特別なラッピングで

〈バルミューダ〉が贈るホワイトホリデー

今月の小さなときめきは「ウィークエンドのお買いものタイム」

ハッピーを抱きしめる〈me ISSEY MIYAKE〉の日日是好日 vol.01

FASHION

帽子が変わる、わたしも変わる！〈オーバーライド〉の秋冬コレクション

寒い季節の足取りを軽やかにする〈グラミチ〉

もこもこ＆ふかふかでイージーな履き心地が嬉しい新作

〈キーン〉があれば冬のお出かけも足取り軽く

Wandering with Joy

〈Miu Miu〉× MOMO

渋谷PARCOのリニューアル5周年を祝う劇場型イベントを開催

極小スタッズが輝くホリデーコレクションがお目見え。ポップアップでは限定品も！

〈ヴァジック〉で、冬の夜空のようなスタッズバッグを見つけた

スタイリスト杉本学子が語る、共感性をつくるスタイリング

Netflixシリーズ『さよならのつづき』有村架純演じる“さえ子”が愛するファッションの秘密

白の季節

門脇麦と〈TATRAS〉のダウン

〈グランドセイコー〉で、いつも夢見心地。

〈ジュエッテ〉新たな選択は、多彩なシルバー

10年後、どんな自分でいたい？

INTERVIEW

酸っぱくて愛しい、糠漬け

COLUMN

「みんな、知らなかったのか？ あいつはな、うちの家族なんだよ 」

『海に眠るダイヤモンド』5話イメージイラスト／オカヤイヅミ（イラストでも全話振り返ります）

CULTURE

No.330 / 2024年11月12日発売

今月のGINZA編集部レコメンド

東京ケンチク物語 vol.65

RICOさん

BEAUTY

映画『ザ・バイクライダーズ』ジェフ・ニコルズ監督にインタビュー

『ザ・バイクライダーズ』, ジェフ・ニコルズ監督, インタビュー

あの人に贈りたい！〈オリベ〉 のコフレetc.

LIFESTYLE

ジョニー楓「愛となぐさめの星占い」

都心のワンルームから郊外の素敵な一軒家まで、センスのよい人の自宅をSNAP！おしゃれだけど実用的。センスのよい人たちが暮らしている部屋の「リアル」が盛りだくさん。インテリアの参考に。2018年12月から続くginzamagの人気連載。

私と部屋

毎日22時に更新。タロット使いのJON（犬）が、あなたのために毎日リーディング。その日の「対策」を星座別にお伝えします。

JON（犬）の毎日占い「 今日を過ごすヒント」

占い師章月綾乃さんによる、12星座別月間占い。星の声に耳を澄ませれば、過ごし方のヒントが見えてくる！ あなたの現在地点と今月の運勢は？

章月綾乃「開運レター占い」

おしゃれな人の持ち歩きコスメや、ポーチの中身を紹介。美の3か条、お気に入りの美容アイテムも伺い、美しさの秘密に迫ります。2018年4月から続く、ginzamagの人気連載。

きれいな人のポーチの中身

動くイラスト「メタ・イラストレーション」で注目を集めるクリエイター小川雄太郎さんが手掛ける連載漫画『トップスドッグズ』。洋服を模した犬のキャラクター“ロン”のゆる〜い日常をお届け。

トップスドッグズ

ファッション,お買い物,欲しい物,バッグ,シューズ,アクセサリー,ジュエリー,腕時計,GINZA,12月号

着たい！買いたい！やってみたい！

GINZA12月号

『大奥』15イメージイラスト／オカヤイヅミ（イラストでもSeason2全話振り返ります）

子を殺そうとした母と、子を殺した女に復讐した母。15話は子にも孫にも愛情のない治済（仲間由紀恵）という大きな脅威を、子を愛する母たち、御台（蓮佛美沙子）とお志賀＝滝沢（佐津川愛美）の思いが打ち倒した回だった。
14話終盤で黒木（玉置玲央）のもとへ向かった11代将軍・家斉（中村蒼）。人痘接種の復活に力を貸してほしいと頭を下げて思いを吐露した。
「今のままでは男は種付けしか能のないでくのぼうに甘んずるしかない。これでは何もできん。妻や子を守ることすらできんではないか」
子どもを何人も母に間引かれ、それをきっかけに御台も正気でなくなってしまった。妻や子を守れなかった家斉の叫び。
「助力を望むならまず関わった女どもの首をはねてこい。話はそれからだ」
と一度はつっぱねた黒木だが、その後周りの説得もあり、家斉の申し出を受け入れることに。黒木は天文方に付随する翻訳局務めという形で、治済の目を欺いて人痘の再開に向けて動き出す。
男将軍の世では権力を持たない大奥総取締・松方（前田公輝）も
「所詮男の人生は左様なものかと諦めておりましたが、上様のお言葉に不覚にも心を打たれ」
と、治済のために男たちを集めた奥を用意するという機転で治済の疑いの目をそらすことに成功。男たちが自分の手に力を取り戻すため、動き始めた。
「種つけしか能のないでくのぼう」「女どもの首をはねてこい」と、原作にはない強い物言いをする登場人物たち。時間の制約もあってドラマでは直接に描けない部分の積み重なった思いが、ワンシーンワンシーン、ひとつひとつのセリフに込められているということなのだろう。

女社会の中で男たちが力を取り戻す

奥を与えられた治済は政から遠ざかり、その隙に赤面疱瘡にかかった熊を使った「熊痘」が成功、町で広まってゆく。
家斉は赤面疱瘡撲滅という目的のため、黒木の処遇や熊痘の広め方など、次々とアイディアを出す。その一方、治済は美男を自由にでき、美食を楽しめる地位にあって、結局彼らが苦しむ姿を見て楽しむという残虐かつワンパターンなことばかり繰り返す。人生で本当に心を満たすのは、きっと青沼や源内が言ったように誰かに「ありがとう」と言ってもらえることなのだろう。その喜びを知らず、人を陥れ、苦しめて命を奪う、その一瞬の興奮にだけ執着する治済が哀れに思えてくる。
やがて熊痘の件は治済の知るところとなり、呼び付けられた家斉は御台とともに毒を食べるよう促される。しかし家斉が毒入りの菓子を口にする直前、治済が倒れる。御台とお志賀が手を組んで治済に毒を盛っていたのだった。
「そなたは上様。そなたを裁ける者など誰もおらぬ。これではもう母がそなたを手にかけるしかのうなってしまった。せめてそなたの好きな甘いもので送ってやるゆえな」 
「かわいそうにのう。御台はそなたと添うたがゆえに狂った」
毒入り菓子を勧める直前の、母の愛や御台への慈しみを訴えているようで、その実そんな気持ちは欠片もない治済の空虚なセリフ。息子を殺すことになんのためらいもない、彼女はまさに化け物だ。
彼女が血を吐いて倒れた瞬間「あーあー、畳を汚しちゃって」と思うくらいにはすっかりこの治済を憎んでいたのだけれど（仲間由紀恵の怪演のなせるわざ！）、化け物は無事退治されました、めでたしめでたし、とはならない。
「匙（御殿医）を呼ばせてくれ、だってまだ息がある。例え化け物でも母は母じゃ」
懇願する家斉に「あなたさまはそういうお方ですものね」と御台の目がすっと諦めをたたえる表情がすごかった。自分たちの命を賭して復讐しようとした相手を、「母だから」と助けようとする夫。しかし御台の息子は、そんなふうに母を思いやることさえできないうちに、退屈しのぎに殺されたのだ。原作ではその後、家斉と御台の仲は戻ることはなかったと書かれている。
にしても、一命を取り留めた治済がそれから16年生きたというしぶとさに慄く。そもそも少しずつ盛っていたという毒もあんまり効かなかったみたいだし……。けれど、この世の贅を極めた暮らしにさえ退屈を感じていた治済が、口もきけず体も動かせない16年間はどれだけ退屈だったことだろう。

復讐を果たした御台の家斉を諦める目

熊痘を広めるのに町の人々にかわら版で知らせる展開は、ドラマでは家斉の発案だったが、原作では「源内さんならどうしたか」と黒木が考えたものだった。そこで源内の名前が出なかった代わりに、「御公儀熊痘接種所」の看板を見つめながら、死の間際の源内の言葉を思い出して伊兵衛（岡本圭人）らとともに青沼や源内、意次のことを振り返るという医療編の締めくくりに相応しいシーンが入っていたのはとてもよかった。「医療編」は、出自も身分もばらばらの人たちが不幸にみまわれながらもバトンをつないでひとつの志を遂げる、美しい物語でもあった。
熊痘第一号となったのは黒木の息子、青史郎（上野山夢輝）だった。黒木が家斉の申し出に悩んだとき、少年でありながら「自分より他の人たちを優先して助けてほしい」と願っていた青史郎。その思いもまた、黒木から受け継がれたものなのだろう。
終盤では、16話から本格的に登場するであろう家慶（高嶋政伸）がインパクトを残した。子ども時代に「熊痘を受けたい」と言って治済に家斉の動きがバレるきっかけを作ったり、将軍として登場したと思ったらいきなり娘を犯すという非道な振る舞いを見せたり、今のところ余分なことしかしてない。来週から化け物の血を継いだ彼がどんな振る舞いを見せるかが怖い。

時を経て受け継がれるもの

<a href="https://www.nhk.jp/p/oooku/ts/PKYJ66Q8JP/" target="_blank" rel="noopener">ドラマ10『大奥 Season2』</a>
原作＿よしながふみ（白泉社） 
脚本＿森下佳子 
演出＿大原拓、末永創、川野秀昭、木村隆文 
出演＿鈴木杏、玉置玲央、村雨辰剛、岡本圭人、中村蒼、蓮佛美沙子　他 
プロデューサー:舩田遼介、松田恭典、舟橋哲男 
主題歌＿Aimer『白色蜉蝣』
ドラマ10『大奥』（Season1） 
2023年1月10日から3月14日まで　全10話放送（NHK）
原作＿よしながふみ（白泉社） 
脚本＿森下佳子 
演出＿大原拓、田島彰洋、川野秀昭 
出演＿冨永愛、堀田真由、仲里依紗　他 
プロデューサー＿舩田遼介、松田恭典 
主題歌＿幾田りら『蒲公英』
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番組情報

釣木文恵 

つるき・ふみえ 
ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。

オカヤイヅミ

漫画家・イラストレーター。著書に『いいとしを』『白木蓮はきれいに散らない 』など。この2作品で第26回手塚治虫文化賞を受賞。趣味は自炊。

考察『大奥』15話。子のために母は何ができるか

考察『大奥』15話（Season2 医療編5話）

女社会の中で
男たちが力を取り戻す

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