昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店で聴きたくなる名曲を、80年代好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.28は盛岡の旅、後編。珈琲消費量が全国の上位に入り、豆の焙煎所が市内に20か所以上もある盛岡には新旧の喫茶店が多数あり、町のあちこちで珈琲のアロマが漂っている。早くから欧州文化が流れ込み、名建築も多く残るこの町では、長い冬を過ごすお供として、珈琲が愛されてきたのだろう。
前回は、緑あふれる喫茶の町、盛岡の旅【前編】。
80年代好きライターの純喫茶巡り Vol.28
昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店で聴きたくなる名曲を、80年代好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.28は盛岡の旅、後編。珈琲消費量が全国の上位に入り、豆の焙煎所が市内に20か所以上もある盛岡には新旧の喫茶店が多数あり、町のあちこちで珈琲のアロマが漂っている。早くから欧州文化が流れ込み、名建築も多く残るこの町では、長い冬を過ごすお供として、珈琲が愛されてきたのだろう。
前回は、緑あふれる喫茶の町、盛岡の旅【前編】。
今回、盛岡を訪れた理由の一つが「羅針盤」。以前は「六分儀」という店名で、一度は45年の歴史に幕が。その店を、東京蔵前にある「蕪木」の蕪木祐介さんが継いだと聞き、ぜひ行ってみたいと思ったのだ。「蕪木」は、薄明りの店内で珈琲とチョコレートを楽しむ新世代の店。その世界観が老舗とどんなふうに融合しているのか…。思い切ってドアを開けると、凛とした静謐な空間がそこに。供されるのは「蕪木」と同じく、珈琲とチョコレート菓子。店内に流れるシャンソンや内装は以前のままで、杉綾の木床に並ぶ机や椅子は、懐かしい教室のよう。蕪木さんにとってここは「若い時分に、思考を深め、息を整える大切な場所」だったという。その居心地のよさに心洗われ、「この場所を残したい」という蕪木さんの静かな熱意を感じた。帰り際に表を見ると、緑の町らしく豆柿の木が青々と。前店主から引き継がれた想いは、こんなところにも。
住所_岩手県盛岡市中ノ橋通1-4-15TEL_019-681-8561
営業時間_10:00(土日祝9:00)~17:00(16 : 30LO)
定休日_月曜
12席 禁煙 ※PCの利用は控えて、会話はお静かに。
Photo&Text_Kuuki Mizuhara