かつてのような活気を取り戻したミラノ・パリファッションウィーク。原点をあらためて見つめ直す姿勢や、アクティブで華やかなムードが目立った。
新クリエイティブ・ディレクター、存在感を放つセレブetc. 23年春夏話題のトピック

新クリエイティブ・ディレクターがブランドイメージを一新
〈Ferragamo〉
2020年に自らのブランドでデビューしたばかりのマクシミリアン・デイヴィスがクリエイティブ・ディレクターに就任。ブランド名を〈フェラガモ〉とし、グラフィックデザイナー、ピーター・サヴィルデザインのロゴに。デビューコレクションは創業者と深い関わりがあった往年のハリウッド文化を参照。1959年にマリリン・モンローのために作られた赤い靴から着想を得て、クリスタルをちりばめたルックも。
〈Missoni〉
新たにミッソーニのメンズとウィメンズを担当することになったのは、フィリッポ・グラツィオーリ。流線的なモチーフを用い、大胆に肌を見せるボディコンシャスなシルエットのコレクションを発表した。1981年生まれで、ミラノでファッションを学び、18年にわたってメゾン マルタン マルジェラ、エルメス、ジバンシィ、バーバリーといった名だたるブランドで経験を積んでいる。
〈Etro〉
マルコ・デ・ヴィンチェンツォは1978年、イタリア生まれ。自らのプロジェクトで活躍するかたわら、フェンディのレザーグッズのヘッドデザイナーも務めている。2022年6月より、エトロのウィメンズ、メンズ、ホームコレクションのクリエイティブ・ディレクターに就任。初のコレクションはブランドの持つ技術を生かしながらサイケデリックなムードを漂わせ、花、鳥、果物のモチーフを印象的に表現した。
〈Bally〉
20年ぶりにショー形式で発表されたコレクションを手がけたのはルイージ・ビラセノール。マニラで生まれ、9歳の時にLAに移住し、2015年よりストリートブランド〈ルード〉を率いている。彼は、デビュー作を「Ecdysis(変態)」と題し、レザーを得意とするスイス発のラグジュアリーブランドにアメリカの精神を融合。カットアウトやメタリックカラーなどを駆使してナイトアウトを思わせるグラマラスなイメージを作り上げた。
南仏のリゾート地でムービーを撮影
〈Celine〉
ファッションウィーク終了後の2022年11月にムービーを配信した。ロケ地はクリエイティブ・ディレクター、エディ・スリマンが住む南仏サントロペ。店舗のインテリアデザインの着想源ともなっている彼のビーチハウス、ヴィラ ケルアックでも撮影されている。本作のために再結集したロックバンド、ザ・リバティーンズ(写真5枚目)の音楽が流れる中、フレンチシックを再解釈したスタイルのモデルたちが海辺を歩いた。
セレブが存在感を放つ
推しを一目でも見ようとファンが集まり、ショー会場周辺は黒山の人だかり、が当たり前に。韓国のアーティストをはじめ、動画配信サービスのドラマやリアリティ番組の出演者なども数多く姿を見せていた。招待されるだけではなく、コレクションのキュレーションや、モデルを務めることも。