さまざまなフィールドで活躍するアイコンにとって毎日でも繰り返し身につけたいユニフォームのような存在とは?十人十色のこだわりが光る、プライベートスタイルを披露。
👗FASHION
〈トゥ エ モン トレゾア〉デザイナー、佐原愛美にとってのユニフォームとは?
同じ服を着る人たち vol.4
佐原愛美

どう着てもその人らしくなる
デニムは自分を表現しやすい
佐原愛美さんが自らのユニフォームとして追求し続けているのがデニム。
「どう着てもその人自身を表現できるのがいいんですよね。だから備えているスタイルを示しやすい。私は毎日身につけていますし、上下でコーディネートすることもあります」
アメリカで労働者の作業着として生まれた歴史を持ち、マッチョな男性のイメージが根底にあるアイテム。でももう少しフェミニンに着こなしたいと、納得のいく一本を探して、あらゆるものをはいてきたが見つからない。
「それなら女性の視点で一から作り替えようと、10年間続けたブランドをデニムに特化してリローンチしたんです。日本が得意とし、世界が注目する職人技術が活かせるのも強み」
ここ数年は特に、自分らしいダンガリーシャツを生み出そうと試行錯誤している。
「シャツはフェミニンな雰囲気が出せる服。それをデニム系の生地で作れないだろうかと、もう数シーズン試作し続けています。カジュアルになりがちなダンガリーを、端正にクラシックに仕上げたい。そのために付随する要素を可能な限り削ぎ落とすことで、エレガンスとのバランスをはかっているところです」
小学生の頃からスカーフやサングラスを取り入れていたおしゃれ好き。早熟だった少女のアイコンは、現在リディア・デイヴィスやジョーン・ディディオンに変化している。アメリカのかっこいい女性作家がまとうような、デニムやシャツが完成する日も近い。
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佐原愛美
さはら・あいみ>> デザイナー。2010年に〈トゥ エ モン トレゾア〉をスタートさせ、20年にデニムブランドとしてリローンチ。
Photo:Naoto Usami Text:Akane Watanuki