さまざまなフィールドで活躍するアイコンにとって毎日でも繰り返し身につけたいユニフォームのような存在とは?十人十色のこだわりが光る、プライベートスタイルを披露。
〈HAENGNAE〉 デザイナー、アンナ・チョイにとってのユニフォームとは?
同じ服を着る人たち vol.3
アンナ・チョイ

ブラックフォーマルな装いを
かしこまらず日常使いに
「とにかく毎日ドレス。そして黒一辺倒です」
そう言い切るアンナ・チョイさんが“ユニフォーム”をまとうようになったのは4年前のイギリス在住時から。もともとカジュアルよりきれいめ派だったが、自身のファッションのエネルギーをもっとも体現できると選んだのがブラックドレスだった。
「鉄板スタイルは、ワイドパンツと重みのある厚底ブーツとのコーディネート。ズルズルと引き摺るくらいの丈が多いので、雨の日はパンツの裾をレインブーツに入れるなど工夫しています。幼少期からオートクチュールに興味があり、メゾンの作品を見たときに感じるパワーやきらめきをいつもの洋服に取り入れたいと思ったんです。それらを日常に手に取りやすく着られたら素敵ですよね?なので、シワになりにくい素材を採用したり、ポケットを目立たないように付けたりと、普段使いできるほどの手軽さを意識しています」
「強きロマンチスト」がコンセプトの〈ヘンネ〉は、黒、赤、ベージュを基調としている。
「黒は芯の強さをイメージ。全体を通して甘めのディテールが多いので私自身がまとう時は黒で締めるとしっくりくる。光沢や透け感、素材により印象が異なるのも好きなところ」
落ち込んだらハイヒールで気分を高める彼女は、ファッションが持つ力を信じている。
「毎日袖を通すブラックドレスに私自身が高揚感を覚えて、その想いがまわりの方々にも伝わればうれしいですね」
🗣️
アンナ・チョイ
>> 〈HAENGNAE〉 デザイナー。神戸生まれ。NY、東京、イギリスでファッションを学ぶ。2021年秋冬シーズン、自身のブランド〈ヘンネ〉をスタート。誰かのためではなく、自愛精神を含めた「愛でる」哲学をベースとしている。
Photo:Hiroko Matsubara Text:Mika Koyanagi