今年9月、NYコレクションの時期に合わせて行われたパーソンズの卒業コレクションで一際注目を集めた日本人デザイナーがいた。Kota Okuda(奥田浩太)さん、27歳。ドル札やコインをモチーフにした大胆で視覚に訴えかけてくるその作品たちは、オーディエンスを十分に刺激し、多くの議論や意見を飛び交わさせる話題のコレクションとなった。
「女性はお金じゃない!と言い出すフェミニスト団体がいたり、コレクション写真の横に”Weekend mood”と書かれて週末のお金が飛んでいくイメージに使われたり。中には”Kotaは服にお金を使うから、それを投影させて逆転の発想で服をお金にしたんだよね?”と解釈する人がいたりもしましたね。どれも予想外の意見でびっくりしましたけど(笑)色々な人の解釈に委ねることができたり、見た人に楽しんでもらえるエンターテイメント性があるものができたことはよかったと思っています」
その反応はセレブにまで広がりを見せ、まるでフォトショされた画像が歩いてるように見える身体をお札とマネークリップで挟んだキャッチーなルックは、ショーが終わった直後にニッキー・ミナージュ本人から直接”I need it”と連絡がきたり、お財布を散りばめたルックはミュージックビデオに使いたい!とがLAにいるカーディ・Bからラブコールがあったりもしたという。そんなSNSで瞬時にコレクションが世界でシェアされる今の時代らしい注目の広がり方をしているところも面白い。