モデル出身の抜群のスタイルで小学3年生からヤンキー役までを演じ今もっとも気になる俳優、杉野遥亮。デビューから7年。その心境を聞いた。
俳優 杉野遥亮インタビュー「心のない言葉なんて、正直めんどうじゃないですか?」

「心のない言葉なんて、正直めんどうじゃないですか?」
都内スタジオでの撮影。杉野遥亮さんがメイク室に入るとロックが流れてきた。
「日本のバンドをよく聴きます。ゴーゴーバニラズやスーパービーバーにはいつも元気をもらっています。撮影前だと『よっしゃいくぜ〜!』ってテンション上がりますね」
昨年は多くのドラマに出演し注目を集めた。
「俳優には小さい頃から憧れていたんです。ふり返ると、テレビドラマの主人公のセリフを真似したりしてました。『プロポーズ大作戦』とか『1リットルの涙』とか。好きな女の子に『俺、俳優になるから!』と宣言したりして。小学校5年ぐらいかな」
「ジルサンダーはお店にもよく行きます。でもこんなパープルは初めて」。カーディガン ¥155,100、シャツ ¥94,600(共にジルサンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー | ジルサンダージャパン)
今年で7年目を迎えるが、コロナ禍を経て、考え方が大きく変わったという。
「初めの頃は周りの全員に好かれたいと思っていて(笑)。多少嫌なことも『ハイ!』と返事をしてやらなきゃと頑張っていました。それが自粛期間を過ごしたことで、どれだけ無理していたのか、まったくスイッチが切れていなかったことに気づいた。俳優として自分に正直になること、きちんと伝えることをやるべきで、それが相手に対する礼儀だと考えるようにシフトチェンジしたんです。もともと、ごまかしたりお世辞を言ったりするのは苦手。心がないものってめんどうじゃないですか?誤解されたり、生意気だと思われたとしても、誠意を持っていれば、わかってもらえると信じてやっています。傷つくこともあるけど、友達に話を聞いてもらって、メンタルを保って。日々進化しているつもりです」
4月公開の映画『やがて海へと届く』では2人の主人公をつなぐキーパーソンを演じる。
「中川龍太郎監督はとても哲学的な方で、登場人物の心情や存在を追求していく姿勢が素晴らしいと感じました。現場ではたくさん力をお借りして。台本をいただいた時には、すごくきれいな話だなーと。透き通っているというか。人々の感情のやりとりは胸に迫るものがあって、みずみずしさが画面から伝わってくる作品になっています。力を注いだギターを弾くシーンも注目してもらえたら」
「ブルーのグラデーションがいい。今の僕にとって等身大の服ですね」。コート ¥234,300、シャツ ¥85,800、パンツ ¥89,100、シューズ ¥86,900(以上マルニ | マルニ ジャパン クライアントサービス)
「すごくかっこいい。上質な服に宿るエネルギーを感じます」。ジャケット ¥341,000、パンツ ¥154,000*共に参考価格、ハイネックTシャツ ¥100,100(以上ディオール | クリスチャン ディオール)
俳優としての喜びは現場にあると語る。
「演技していて、今いけたな、いいものを出せた、楽しかったと感じる瞬間のために頑張っています。あとは作品が世に出て、反響を直接聞いた時。特に『恋です!』は地上波でいろんな人が観てくれて、直接、ちゃんと、お世辞じゃない熱量で伝えてくれる方がたくさんいて。こんなことは今までになかった。こんなふうに観客を作品の中に連れて行きたいし、共感したり、心を動かしてほしい。自分が100パーセント全力でいられる場所で、役者として生きていきたいです」
「なんですか?この着用感は!服を着ている気がしない(笑)。物理的にも軽いけど、精神的にも軽くなれそう。エルメスってやっぱりすごいんですね」。シャツ ¥276,100(エルメス | エルメスジャポン)
「このセーターは今までで一番着心地がいいかも!これは欲しくなっちゃいます」。セーター ¥242,000、パンツ ¥121,000(共にボッテガ・ヴェネタ | ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)
モデル出身ということでファッションにもこだわりがありそうだが。
「この業界に入って『おしゃれにならなきゃ!』からスタートしてますから(笑)。とりあえずブランドものも、古着も買わなきゃって真似してやってみたけど、なんだかしっくりこないし、わかんないし。で、自分の着たいものを見つめ直してみたらすごくシンプルになった。ジーパンにTシャツにバングル、みたいに。数は少なくてもきちんとしたものを持っていたいです。特に靴。足元がちゃんとしていると自信にもなるし、家を出る瞬間からスイッチが入る。自然と着る物もちゃんとしようってなってくる。やっと本当におしゃれに目覚めたのかもしれません(笑)」
部屋とインテリアについて聞いてみた。
「すごく興味あります。この仕事をしていなかったらインテリアや建築に関わりたいと思っていました。プライベートの時間、自分に戻るために、家具を探したり、Netflixで建築の番組を観ることも。今は断捨離でインテリアを一掃していて、新しい空間を作ろうとしている時期です。テーマは“家を太陽にする”。『これめっちゃ好き!』と思えるアイテムだけでそろえていきたくて、ものを吟味している段階。お気に入りのソファーだけは見つかって。4人ぐらい座れるサイズなので、のんびりとリラックスできるのが最高です」
「透け感のあるシャツは少しハードル高いけど、色がきれいですね。このサンダルはすごく可愛い」。コート ¥147,400、シャツ ¥72,600、パンツ ¥77,000、サンダル ¥61,100(以上ドリス ヴァン ノッテン)
🗣️
杉野遥亮
1995年千葉県生まれ。2015年在学中に『FINEBOYS』モデルオーディショングランプリを受賞し、16年俳優デビュー。Amazon Prime Videoのドラマ『僕の姉ちゃん』配信中。映画『やがて海へと届く』(中川龍太郎監督)が4月1日公開。