主観と客観のあいだにある目線──それが映画に感じられたなら、作り手を信頼できるように思うのだが、クレール・ドゥニはその筆頭だ。グレタ・ガーウィグ、バリー・ジェンキンスをはじめ後続世代も敬愛してやまない、今世紀の重要作家の一人といえる。5月31日、1999年公開の監督作『美しき仕事』の4Kレストア版が公開を迎えた。幼少期を過ごしたフランスの植民地、ジブチでの記憶。敬愛するハーマン・メルヴィルの小説。90年代当時のアフリカの実情。すべてが混じり合い成立した幻の名作の知られざる背景について、みっちりと濃密に語ってくれた。
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