隊長の東野幸治さんを中心に、品川庄司の庄司智春さん、天津の木村卓寛さん、そして椎葉宏治ディレクターの4名が山の頂をめざすドキュメントバラエティ『PEAK HUNT 東野登山隊』。2019年の番組スタート以来、隊員たちはこれまで龍王岳や赤岳、八海山、剱岳など、数々の日本の名峰に挑んできました。
現在、登山隊がロングトレイルに初挑戦した特別編「JAPAN TRAIL 塩の道トレイル編」がFANYチャンネルで配信中。東野さんと庄司さんに旅を終えた感想と、ロングトレイルの魅⼒を伺いました。
東野幸治と庄司智春が歩いた120キロ
隊長の東野幸治さんを中心に、品川庄司の庄司智春さん、天津の木村卓寛さん、そして椎葉宏治ディレクターの4名が山の頂をめざすドキュメントバラエティ『PEAK HUNT 東野登山隊』。2019年の番組スタート以来、隊員たちはこれまで龍王岳や赤岳、八海山、剱岳など、数々の日本の名峰に挑んできました。
現在、登山隊がロングトレイルに初挑戦した特別編「JAPAN TRAIL 塩の道トレイル編」がFANYチャンネルで配信中。東野さんと庄司さんに旅を終えた感想と、ロングトレイルの魅⼒を伺いました。
──今回、初めてロングトレイルに挑戦されたそうですが、登山との違いは感じましたか?
東野 そうですね、登山って上がっていく楽しさがあるし、景色もいい。でもよっぽどのことがない限りSOSは出せないんで、下山するときは足を引きずってでも降りていかなきゃいけないんですよね。その点、今回のロングトレイルでは基本的には道路を歩くことが多く、低山には登りましたけど、これまでアタックしてきた山々と比べると危険なことは少なかったです。お店に入って休憩することもできましたし、もう無理ってなれば自動車が控えていたので、文明の利器を使えるという安心感がありました(笑)。
庄司 ただ登山は標高が上がるとちょっと涼しくなるんですけど、ロングトレイルはアスファルトの熱さもあって汗の量が違いましたね。地味に坂道が続いて足腰に響いたり。始まる前は「楽勝っしょ」みたいな空気があったんですけど、とんでもなかったなって(笑)。前回の岩手山と同じくらい体力的には厳しい感じでした。もちろんそのなかで楽しさはありましたけど。
東野 確かに、あのしんどさ、アスファルトなんですかね。別に荷物が重いわけでもないのに不思議。よく24時間テレビで100キロマラソンいうてますけど、途中歩いてるし、見てたら大したことないじゃないすか。
庄司 いやいや本当はすごいことなんですけどね。なんかいけるかなと思っちゃいますよね。
東野 改めてあれ大変なんやなって。歩くだけでもめっちゃくちゃしんどいなって思いました。今まで申し訳なかったです。ただ今回通った「塩の道」は、江戸時代に歩荷(ボッカ)さん(山岳地帯を背中に荷物を背負い徒歩で運搬する人のこと)が糸魚川から塩尻まで塩を背負って歩いた歴史ある道でもあるので、「この道通ったんや」みたいなものが土台にあるんで、面白かったです。途中で資料館にも寄りましたし。
庄司 資料館では当時の荷物を背負ってリアルにその重さを感じました。長らく何もない山道を歩いて民家が出てきたら、もしかしたら昔の人はここで休んだのかなと思ったりして。そういうことを感じながら歩くのが楽しかったですね。
──それにしても、全長120キロってかなりの距離ですよね。
東野 そうです。たまたま天気も悪くて、ゲリラ豪雨にやられてテントを張るのも危なくて……みたいな感じだったんで、さすがにこれで終わるのもっていうので、ちゃんとゴールを目指そうと。それで後半はバトン形式というか、みんなでたすきを繋ぐように120キロを歩いていったんです。
庄司 なので後半はみんなが一人ずつ歩いて、バトンを繋いだ形になってます。
東野 我々「Relive」っていうアプリを使ってるんです。これめちゃくちゃ便利で、GPSで位置を把握して、「今日これだけ歩きました」って、3Dで山みたいなんバーって出してくれるんすよ。こんな歩いたんやって、あとで振り返るのちょっと気持ちいいじゃないですか。達成感もあるし。ニヤニヤするだけですけど。
庄司 東野さんが僕の前で峠を越えてくれたんで、うわすごいなって刺激をもらって、自分も次の人に「えっ、ここまで歩いてくれたの」って言われたい、みたいな気持ちに。ちょっとでも自分のターンで距離を稼ぎたいなって思って歩きました。
東野 しんどかったけど、自分が行けないときは誰か代わりに行ってくれたし、一旦マーキングして次はここからお願いしますっていうのが、登山と違って便利というか、面白かったですね。だいたい一人40キロとか歩いて。
庄司 そう思うと間寛平師匠が昔、マラソンで毎日40キロとか50キロ走るのがざらだったとかって聞くと、改めてすごいなと感じましたよ。
東野 寛平さんもっとアースマラソンのこと言ったほうがいいっすよね。みんな多分忘れてるから、寛平さんのすごさを。地球1周ってすごいことなのに、本人も忘れてるかもわかんない。いやすごいことだと思いました。
Photo_Sakai De Jun Text_Neo Iida