【SCENE-1:当選者決定】
なんとアツいメールの数々だったでしょうか…。書きにくい申し込みフォーム(すみません)にもかかわらず、長文の愛に溢れたお手紙をたくさんいただきました。twitterでは「直接デートなんて無理無理!絶対出さない」と言ってた可愛いベイベの方もいらっしゃいましたよね。合計約5000人の中からたったひとりを選ぶのはあまりに難しく、東京都在住という条件のもとエイヤ~~~!と目をつぶって選んだのは、なんと23歳(!)の、うら若きOLの方でした。

たくさんの応募、本当にありがとうございました。読んでも読んでも愛・愛・そしてまた愛……♡
【SCENE-2:事前準備】
担当者がご連絡すると、たぶん23歳のOLさん(以下しのぶさん)は大変な混乱と緊張をされてましたが、ダイジョブダイジョブ!となだめすかしながらなんとか日にちと時間をセッティング。さて次なる問題は現場のフォーメーションです。我々スタッフ(計5名)はロケハンのため、当日と同じ時刻の混み具合を検証すべく銀座駅と渋谷駅に集合。2チームに分かれてA班(しのぶさんとスタッフが渋谷から乗る)とB班(岡村ちゃんクルーとスタッフが銀座から乗る)という模擬フォーメーションを組みます。

銀座線は大好きです!なんつったってGINZAだもの。

ココ!ココ!この場所で世紀のDATEが繰り広げられるのです!
「ハイ、こちらA班。渋谷駅2両目の最後尾に座り、発車しました!」「了解!」「●時●分、銀座駅到着予定。異常なし」「了解!」…LINEでトランシーバーごっこをしながら、無事に銀座駅で合流。あらかじめ岡村ちゃん席に座っていたスタッフがここで立って、電車に乗ってきた岡村ちゃんに席を譲り、ターゲットの隣りに座ってもらう、という算段です。銀座→京橋までの1駅デートを楽しんでもらったら、B班は京橋で下車。A班はそのまま乗って日本橋駅で下車。そんなわけで事前準備は楽しく完了♡
【SCENE-3:しのぶさんについて】
「岡村さんを好きになったのは2年くらい前なので長くはないのですが、岡村さんの楽曲が本当にかっこよくて大好きです。きっかけはOKAMOTO’Sが好きで、彼らからの影響で聴くようになりました。突然耳に入ってきた曲がすごくかっこよくて感動して、他の曲のどこの部分をとっても素晴らしいのでそれからのめり込むように聴いてます!純粋に作曲づくりに熱量を持ち続けていて、それを感じる姿と楽曲が本当にかっこいいです。岡村さんは時代や曲によっていろんな顔があり、でも全部岡村さんらしい。そして誰にもできないことをずっとやっていて…いろいろ言いましたけど、もう天才としかいえない!!!やばい人です!!!
そして大人の色気を感じます!!でも全力な姿が少年のようだったり、いろんな顔をライブで見ると、いつも打ちのめされてしまいます…」
以上がしのぶさんからのお手紙です。いいですよね~、若い層にもちゃんと響いているんだなあと、昭和のファンである我々は皆でうるうる…。
【SCENE-4:当日30分前】
A班は渋谷駅内のカフェ「神戸屋キッチン」で待ち合わせ。しのぶさんは色白で清涼感のある素敵なオシャレさんでした。アパレルの仕事をされているそうで都会的な雰囲気も銀座線にぴったり(?)。興奮なのか緊張なのか少し青ざめてカチンカチンの霜降りのガリガリ君みたいな状態のしのぶさんの緊張をほぐすべく、しばし歓談タイム
じゃーん!おめでとうございます!初々しいでごんす。
──昨日は何か準備しました?
「夜中までガリガリ仕事だったんですが、とりあえずパックだけして寝ました!明日どうしよう何着ようとか思いながらも考えがまとまらないまま…」
──(ガリガリ仕事…)えっと23歳かあ、もしかして岡村さんはお父さんより年上ですか?
「はい、親と同じ世代です。OKAMOTO’Sのレイジくんがいいと言ってるミュージシャンを片っ端から聴いてて、岡村ちゃんも聴くようになりました。「靖幸」のアルバム聴いたらすごくカッコよくて衝撃で。最初は何言ってるかわからなかったんだけど、歌詞を調べたら「えーっ!?」みたいな感じだった。YouTubeで昔の動画見たりツアーのDVD見たり…感動的でした。でも本当に天才だなあと思います。もちろんGINZAの連載の単行本も持ってます」
──同じ年齢で岡村さんを知ってる人とかいますか?
「周りにはあまりいません。GINZAで連載してる人と言うと、たまにああ~…というくらい」
──今回なんで応募しようと思ったの?
「まさか当たるとは思ってなかったんです。プレゼント応募の中では、もちろんファンとしては応募するけど、まさか…まさか…」
──確かにあっという間の時間だと思うので、楽しんでくださいね。
「ありがとうございます。あの…電車の中では上着脱いだ方がいいでしょうか…」
──えーと、それは…任せる!
【SCENE-5:作戦決行】

見慣れた改札がまったく違う風景に見えるこの瞬間…。

クルよ〜クルよ〜銀座線がク〜ル〜!(ザキヤマさんも応援)
A班「時刻表に沿って今、銀座線ホームに移動しました」
B班「こちら準備完了。岡村さんといっしょに近藤社長と島津さん(スタイリスト)とともに銀座到着」
A班「了解。こちら当該の銀座線が到着しました。乗り込みます。予定の席を確保」
B班「了解」

ステッッップイン!
A班はしのぶさんの左右に2人のスタッフが座って脇を固める。他のスタッフ3名が周囲からふたりをガードすべく前に立つ。渋谷は始発なので車内はガラガラなのに、端っこの一角だけ妙に人口密度が高く、気のせいか異常な熱気と緊張を発している…。
B班は撮影仕事終了後の岡村さんを捕獲して銀座駅ホームで護衛しつつ電車到着を待つ。
渋谷から銀座駅は16分。柔らかに談笑していたしのぶさんが徐々にまた緊張してきた。途中から混み始めた車内はすでに立っている乗客も多い。「次、銀座です」「はい」…そしてホームの岡村さんをはじめB班の姿が見えてきた。
ガッツリ周りをスタッフが固めているので、誰も気づきません。
電車の扉が開き、彼らが入ってきた。愛用のパーカを着た普段着の岡村さんはシャンシャンのような可愛らしさ丸出しだが、白シャツの彼は凛々しく堂々と存在感に溢れている。微かに微笑みながらこっちに来ると、予定通りしのぶさんの左隣のスタッフと入れ替わって横に座った。A班とB班が前に立ち、周りをガッチリ固め、一般客からの目を遮断する。近藤さんと島津さんも嬉しそうに後ろの方に立ってこちらを見ている。
最初はやや緊張状態でした。
「あ、よろしくお願いします」「岡村です」……それ以降の会話は車内の雑音で聞こえなかったので、おふたりだけの秘密の会話ということにしよう♡
何よりもこの手が雄弁に物語ってますね…。萌え〜
銀座線のダイヤは無慈悲なほど正確だ。予定通り1駅なんてあっという間、京橋に着くと岡村さんとB班は電車を降りていった。「はあ…行っちゃった…」呆然とするしのぶさん。お疲れ様、と声をかけようにも疲れる暇もなく…でも見るからに彼女は、疲れていた。「大丈夫?」「はい…」「ちょっと編集部でお茶でも」「はい…」A班は1駅で灰になってしまったしのぶさんを抱えるように銀座にあるGINZA編集部に戻った。

ギリギリ最後の握手!
灰。
【SCENE-6:反省会】
日常に戻りました。
──お疲れ様でした!第一印象はどうだった?
「岡村さんが、普通に目の前に現れて、そこに立ってて……いやあ……もう……」
──どんな人だと思いました?
「……わりと普通の、きちんとした感じの方なんだな、と。ちょっと、ほっとする感じ。話しててすっと入ってくる感じ。ピュアな、正直な感じの方だな、と。ライブとは全然違う感じで……」
──話したいこと話せた?
「いえ、なんだかもう……。自己紹介と何か少し…ふわっとしちゃって……」
──隣同士だからちょっと触れてましたよねw
「そうなんです。うわあ、そうだ!近かったです!……でも私が全然話せなくて、ファッション好き?とかどこのブランドが好きなの?とか聞いてくださって……。音楽もいつから好きなの?とか……うーんうーん……。ちゃんと伝えられなかったかも……もっと楽しく話せればよかった……ただの普通の会話になっちゃった」
──やっぱり短いですよねえ…。
「全然短かったです。普段なら10秒で話せることがなかなかうまく……。不思議な感覚の時間でした。あ、新潟の話、できなかった!同郷なのに……あああ……」
──帰ったら岡村さんのどの曲聴きますかね?
「……今、いろんな感情が乱れまくってて……」
この後、しのぶさんはあまりしゃべらなくなり、少し放心状態になりました。そして唇が少し歪んで、しくしくと小さく泣き始めました。我々は少しの間、それを見守ってました。そして少し気持ちが落ち着いた後にまたゆっくりと話し始めてくれました。
「もっと準備してくればと思って。すごく後悔してしまって……。もっと話せればって……。19歳くらいから曲を作ってて、その頃はどんな感じだったんだろう…すごいことを歌詞にしてるから本当にすごかったんだろうなあと思って…。いろんなことがあった人が時を重ねてるからああいう感じになったのかなあ。YouTubeで見るとモテないとか自分からアタックできないとか言ってるけど、絶対モテると思いました。女の子は話したがりだから。ずっと話聞いてくれる感じで。綺麗な感じ。テレビで、Mステに出てた岡村さんでした。そう!Mステの感じでした。本当に…本当にすごい人なので、私もものづくりをしているので、何かいつかご一緒できたらいいなって、ちょっと思いました」
──では最後に言い足りなかったことをどうぞ。
「本当に大好きです。もうちょっとお話したかったです。……これからも応援してます。ずっと見届けます!」
本当にお疲れ様でした!まさに青春の1ページ。
以上で「岡村ちゃんと銀座線1駅デートする券」プレゼント作戦のミッション完了です。しのぶさんの涙はとても綺麗でした。お疲れ様でした。当たらなかった数多くの皆さんと共に、これからも皆で岡村さんを応援していきましょう!
*当初文中に、渋谷駅内のカフェを「アンデルセン」と表記しましたが、「神戸屋キッチン」の間違いでした。ご指摘いただいたベイベの方に感謝申し上げます。