この冬、これがあったら素敵、幸せになるモノやコトを、 それぞれのジャンルにアンテナを張る10名が選び、なぜそれが2016年の冬に相応しいか?じっくりとその理由を語っていただきます。
GINZAが考える『この冬にしたい10のこと』 – 01: お部屋でぬくぬく「Binge Watching(ビンジ・ウォッチング)」

福田真梨さん(エディター)
お部屋でぬくぬく
「Binge Watching(ビンジ・ウォッチング)」
「Binge=過度の」という言葉を使った「Binge Watching(ビンジ・ウォッチング)」とは、「映画やドラマを一気に見まくること」という意味。私がこの冬にしたいことといえば、まさにコレ!(笑)
クリスマスに忘年会と、イベントも多い冬といえば、SNSのフィードも師走状態で大にぎわい。一方で、「引きこもって脱ソーシャルみたいな日があってもいいじゃん!」という気持ちになったり……しませんか?アメリカでは、むしろその方が好きだという人も多くいて、ビンジ・ウォッチングは、もはや休日の定番の過ごし方のひとつ。
そんなビンジ・ウォッチングのお供といえば、映像ストリーミングサービスの「Netflix(ネットフリックス)」。トップの画像でピンときた人はすでにご存知かと思いますが、こちらは、ウィノナ・ライダーを主演に、この夏にビッグヒットとなったネットフリックスオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス』のフォントをアレンジしたもの。(ちなみに、こちらのサイトから、自分の好きな言葉でカスタマイズできます!Stranger Things Type Generator - Nelson Cash)
新旧の映画はもちろん、最近ではオリジナルシリーズから話題作が続々誕生中。「観たいものがありすぎて選べない〜!」という人のために、日本版で公開中のおすすめ3作品をピックアップ。
1.『THE WOLFPACK|ウルフパック』
(監督:クリスタル・モーゼル)
NYのローワーイーストサイド。夜遊びのメッカとも言えるこのネイバーフッドで、学校をはじめほとんどの外出を禁じられた兄弟の生活に迫ったドキュメンタリー。彼らが唯一許された外との交流は映画鑑賞。そして、暇つぶしに始めたのが、そのシーンを自分たちで再現すること。この作品が非常に評価されたのは、彼らの異常な日常を描いただけではなく、その中でも、楽しみを見出しクリエイティブに生きる彼らの姿勢だと思う。映画公開後には、兄弟が「バーニーズ・ニューヨーク」のキャンペーンに登場するなど、自由なニューヨーカーをも刺激する一大センセーショナルとなった作品。
2.『Tangerine|タンジェリン』
(監督:ショーン・ベイカー)
全編iPhoneで撮影されたことで話題となった本作。観る前は、映像のクオリティが気になっていたけれど、開始5分で、そんなことはもうどうでもよくて、作品のテンポにすっかりハマってしまった。(クオリティは全く問題なし!)トランスジェンダーの2人のガールズトークから始まるLAのクリスマスイブの物語。恋に友情に本音120%で生きる彼女たちの姿は、痛々しくも共感できて、愛おしくチャーミング。2017年1月下旬からは劇場でも公開予定。
3.『CHEF’S TABLE|シェフのテーブル』
(ネットフリックスオリジナルシリーズ)
世界中のミシュランシェフの現場を描くドキュメンタリー。いや、これは、もうシェフと料理のラブストーリー!美しい映像とクラシックのBGMにのって紹介される一皿一皿は、ドラマティックで惚れ惚れするし、素材への愛、真摯な仕事ぶり、そして彼らの生き方やモットーは、観ている私たちをも奮い立たせてくれる。あ〜うっとり♡ 最新シリーズのフランス編も感動のエピソードばかり!
ストリーミングサービスの良さは、もちろん定額で何本でもいろんな動画が楽しめることだけれど、観終わった作品を改めてチェックしてみると、「意外にこれが好きだったな」とか、今、自分がどんなことに興味があって、どんなものに感動するのかが分かるバロメーターにもなるような気がする。年末だし、アウトプットはひと休み。ネットフリックス&チルで、ゆっくり気分転換はいかがでしょうか?ただし、ビンジ・ウォッチングのはまり過ぎにはご注意を!
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福田真梨
エディター&ライター。出版社の編集者を経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。ネットフリックスで公開中の『ブラック・ミラー』は近未来の“世にも奇妙な物語”。とっても興味深いのですが、「10年後ってこんな風になっているかも……ゾゾゾ!」とヘビーな内容が多いので、今回は次点。気になる方はあえてオリジナルシリーズとなったシーズン3からどうぞ。