日本生まれ。1959年にインドネシアのスカルノ大統領と結婚し、ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノに改名。大統領との死別後はパリに亡命。エキゾチックな美貌で“東洋の真珠”と讃えられ、社交界の華に。現在は数多くのテレビ番組に出演するほか、各地で環境問題をテーマとする講演会を行うなど多岐にわたり活躍している。
【スター日記】デヴィ夫人:豪華絢爛! 世界を股にかけた華麗なるホリデイ

豪華絢爛! 世界を股にかけた華麗なるホリデイ
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デヴィ夫人

今年のクリスマス・ホリデイは、真冬のヨーロッパで娘のカリナ、娘の夫フリッツ、孫のキランと一緒にオランダのアムステルダムで過ごしました。家族や親しい友人とでディナーをいただき、プレゼント交換をするのがクリスマスの定例行事。キランへの今年のプレゼントは、勉強机に合う新しい革の椅子と自転車にしました。

運河で行われる「ライト・フェスティバル」を見るために、ボートを貸し切りました。1時間半〜2時間ほどの完全にプライベートなツアーで、シャンペンは飲み放題。カナッペなども用意されています。運河を彩る幻想的なイルミネーションは、オランダ国内外の一流アーティストによる作品。想像をはるかに超える美しさです。

こちらは“光の競演”ではなく、レースを模した大きなアートワーク。このオブジェが運河の上を覆っており、下をツアーボートでくぐっていくのです。写真を見ていただくとわかるように、その繊細な仕上がりはまさに拡大されたレースそのもの。こういったアートを肩ひじ張らず、自然に楽しめるのもヨーロッパならでは。

アムステルダムはのんびりとしていて、街全体がコンパクトで絵本のよう。入り口の狭い家が多くてちょっとびっくりしましたが、17世紀頃は家の玄関の大きさで税金が決められていたので、狭く作られた玄関は税金対策のためなのだとか。縦に長い特徴のある建物は日本とは美的感覚が異なり、色も形も趣があって素晴らしいですね。

年末年始はマラケシュで過ごしました。アラビアンナイトに出てくるような別荘ばかりが立ち並ぶバルマリー地区にある、私の友人のお屋敷です。新年を迎える直前にカウンティングが始まり、0時になった瞬間、部屋を真っ暗にしてパッと点灯。「HAPPY NEW YEAR!」と叫びみんなとキスを交わします。世界共通の社交界の慣わしです。

千夜一夜物語に出てくるような宴が昼、夜と各邸で連日繰り広げられ、浮世離れした日々を過ごしました。ゲストは毎年ホリデイをこちらで過ごす世界の大富豪の方がほとんどで、写真のラクダはお客様を迎えるためだけに用意されたもの。マラケシュの昼は太陽の光で暖かいのですが風が涼しく、夜は砂漠気候で大変冷え込みました。

到着した私たちを迎えるのは、こちらの邸宅の門番。門から続く長い赤絨毯の上を先立って歩き、次々と着くお客様を玄関まで案内します。どのお宅にも公園のように広い庭園があり、大きな芸術作品がそこかしこに置かれています。庭園を装飾するライティングも非常に美しく、邸宅内の調度品の素晴らしさと共に印象に残りました。

サルコジ前大統領の元夫人、セシリア・アティヤス夫人と。彼女の母と私は親友でしたので、彼女のことは幼い頃から知っているのです。パーティでは、数十名のモロッコの山岳民族が舞踊を披露する演出も。各民族衣装を着て楽器を奏で舞い踊る彼らは、力強くエキゾチック。新しい年の始まりに、しっかりとパワーをもらいました。

お正月を一緒に過ごしたこちらのお2人とは、20年ほど前にロンドンのクラリッジスで開催された大晩餐会でお会いしたのがきっかけで親しくなりました。プリンス・オブ・ケントはロシアの最後の皇帝ニコライ2世の血を継ぐ方で、エリザベス女王の従弟。プリンセスはドイツの貴族の方で、大きな青い目をした美しい女性です。
Text&Edit: Emari Majima