季節はすっかり梅雨。天気がすぐれないからと家にこもりがちだけれど、いつだって楽しく、クリエイティブに過ごしたいもの。そこでアーティストやデザイナーなど、世界で活躍する女性クリエイターたちに、仕事から趣味まで、お家時間を充実させるために実践していることを聞いてみました。
お家時間をクリエイティブに。ロンドン在住のリディア ・ カスミ ・ シェレフの過ごし方

“プレッシャーフリー”で没頭できる趣味を持つ。
緑の中で自分を癒したり、思い出に浸るのも大事
ロックダウンに加え、もともと雨の日が多く、家にこもる時間が長めのロンドン。その街を拠点にペーパーアーティストとして活動するリディアのポリシーは、「きちんとしたルーティーンを決め、1日を無駄にしない」こと。例えば朝は8時に起きて、部屋でヨガをしてリラックスしてから朝ごはんを。メリハリのある生活スタイルを心がけている。日本のジメジメした梅雨の時期、家にこもりがちなギンザ読者のためのTIPSを聞いたら、「何でもいいから小さなプロジェクトに取り掛かること」と一言。「ポイントは『何か作らないと!』っていうプレッシャーを自分自身に与えないことと、途中で飽きちゃっても罪悪感を感じないこと。気軽に楽しむのが一番だからね」。さらに、やりかけになっていたことの続きを再開するのもおすすめ、とリディア。現在、数年前から部屋に置きっぱなしのクロスステッチのクッション作りや、まだ10代の頃から終わってないボードゲーム(!?)にも取り掛かっているのだとか。
仕事でも、仕事じゃなくてもとにかく作る!
仕事としての形にとらわれず、心の赴くままに創作するのがリディアのスタイル。「将来形にしてみたいものをリストアップするだけでもいいし、純粋に挑戦してみたかった何かに着手するのもあり。私は締め切りのプレッシャーから解放された状態の方が、新しいことを始めようって気持ちになるみたい。自信作の〈Nike〉のスニーカーは、夫の靴をモデルにしたのよ。正直に言うと3月以降仕事の発注は減ったけれど、今はある意味、自分の世界を広げるチャンスなのかなって、前向きに捉えているの」。イギリスの老舗紙メーカー〈GF.Smith〉の紙類や現在取り掛かっているトランプ、幾何学柄のプロトタイプなど、デスクの上のツールや作品もカラフルで気分も上がる。
メモリーに囲まれて暮らす
「ミニマルな暮らしは、私には無理(笑)。思い出の詰まったものを、目の届くところに飾りたい派なの」。冷蔵庫には夫婦で撮ったプリクラや家族で飼っている犬の写真をペタペタ。天井を見上げると、バリから持ち帰った「フライングフロッグ(空飛ぶカエル)」が。日本人の母を持つリディアの自宅には、ジャパニーズなアイテムもたくさん。友人からもらった古い棚に日本のガチャポンのおもちゃを並べ、窓際には叔父から結婚祝いに贈られた陶製の雛人形が。ロックダウン中にフラワーアレンジメントをインスタで学んだそうで、祖父からもらった日本酒のボトルを花瓶がわりに。このアイデア、真似したい!
お庭を最大限に活用する
リディアが2年前に移り住んだ現在の自宅には、居心地のいいバックヤードが。「今育てているのはラディッシュやキャロット、水菜、かぼちゃ、ズッキーニ、トマト、イチゴも。これまではせっかくのガーデンを活かしきれていなかったけど、今年はこのミニ菜園を続けていこうって思ってるわ」。悪天候が有名なロンドンだけれど、今年は奇跡的に晴天が続いているそうで、晴れた日にはガーデンテーブルで仕事をすることも。〈Arket〉のカラフルな短パン×ノースリがお庭の定番アウトフィット。
ご近所の素敵スポットを歩いて開拓する
「私が住んでいる東ロンドンのウォルサムストーやハックニー・マーシズは、中心地から少し離れていて自然が豊か。森や平原が広がっていて、まるでロンドンじゃないみたい!散歩するだけで最高のリフレッシュになるの」。特にウォルサムストウ湿地と呼ばれる、川沿いの湿地帯がお気に入り。〈アディダス〉のスニーカーならロングウォークも苦じゃない。
🗣️
Lydia Kasumi Shirreff
東ロンドンを拠点に活躍するペーパーアーティスト。雑誌や広告のアートワークや、アパレルとのタイアップ、企業やショップのイベントのデコレーションなど、紙を使った様々な作品を手掛ける。過去に〈adidas Originals〉、〈LUSH〉、〈Harper’s Bazaar〉、〈VOGUE UK〉などとコラボレート。現在オンラインショップの立ち上げ準備中。
Instagram: @lydiakshirreff
🗣️
Hiroko Yabuki
エディター・ライター。通訳案内士のラインセンスを持ち、海外アーティストのインタビューや撮影コーディネーションも行う。
Instagram: @tokyoai_hiroko