〈グッチ〉はじめ多数のブランドとコラボレートし、2023年にはエミー賞を受賞したコンセプチュアルアーティスト、マックス・ジーデントップ。日本企業で初めて彼をクリエイティブディレクターとして起用したことで話題になっている〈パルコ〉広告シリーズの、夏の新作が公開された。
〈パルコ〉2024年夏広告の主役は、AI搭載のTVショー・ジェネレータ!?
マックス・ジーデントップとタッグを組んで、不可思議でユニークな世界へ誘う
〈パルコ〉とマックス・ジーデントップとの協業は2024年の4シーズンを通して行われる。キャンペーンのベースとなるコンセプトは「Believe It or Not!」。人間とAIを区別することすら難しくなってきている昨今、事実とフィクションの境界って、薄れつつあるのでは。そう考えた両者は、「Believe It or Not!」のコピーを掲げ、拡張された現実がフィクションと交差し、想像しうるすべてのことが実現できる新しい世界を描くことに。
「フィジカルなものへの愛着はそのままに、デジタル化した未来も受け入れている様を表現する。この設定を通年で踏襲しつつ、新作では物語の主題を『AIが描く、とっぴなTVショー』とし、機械学習とAI生成にフォーカスしました」とマックス。
主役は、どんどん学び、なんでも作り出す“パルコAI”を搭載したTVショー・ジェネレータ。ここにキュウリや靴など、好きなものを投入したら、どんなテレビ番組ができる…?
ミュージック・チャンネルでは野菜たちが演奏をはじめ、スポーツ・チャンネルのチェスプレイヤーは巨大なチェス盤で奮闘中。次々流れる不思議なショーを観ていると、次はどんなチャンネルに切り替わるのかな、と想像が膨らんでゆくはず。
「現実と想像が融合していく世の中で、このキャンペーンを機に、あなたならではのすばらしいリアリティを創造してみてください。思索に満ちた旅に乗り出し、真実の本質的な在り方について疑問を投げかけることで、魅惑的で楽しい新境地を見つけることができますよ」とのこと。
〈パルコ〉とマックスが展開する世界観で、現実×非現実を楽しんで。
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マックス・ジーデントップ
1991年生まれ、ポルトガル在住。映像、写真、彫刻、クリエイティブディレクションなど、あらゆる分野で活動するコンセプチュアルアーティスト。2019年より〈グッチ〉クリエイティブコラボレーターを務め、オンラインスペース「GUCCI VAULT」のネーミングから全体ディレクションまでを担当。2021年、〈グッチ〉の2020年春夏キャンペーン「#ACCIDENTALINFLUENCER」が、ファッションメディア『THE IMPRESSION』のベストデジタルファッションキャンペーンに選ばれる。ミュージックビデオの監督も手がけ、Gommiの『Psychosis』はベルリン・ミュージック・ビデオアワードで「Most Bizarre Video」を受賞。2023年には、キッズチャンネル『Nickelodeon』のブランドキャンペーンの監督を手がけエミー賞を受賞。自身が創設した季刊のアート誌『ORDINARY』が、世界中のインディペンデントな出版社を称える「The Stack Awards」にて最優秀アートディレクション賞を受賞。欧州の非営利シンクタンク「Friends Of Europe」の欧州委員会により、40歳以下のヨーロッパの若き才能46人のひとりとしてノミネートされる。
Text_Ayako Tada