この秋、12のニューショップと7のリニューアルショップが登場する「ルミネ新宿」。なかでも注目は、ルミネ2/2Fに初のフラッグシップショップを構える〈ànuke〉だ。2024SSにデビューし、ベーシックなアイテムに少しのひねりをきかせたデザインで魅せる。ディレクターの船曳ひろみさんに旗艦店のコンセプトからクリエイションにかける想いをたずねた。
「ルミネ新宿」がリニューアル!そのオープニングを彩る〈ànuke〉とは?
ディレクター船曳ひろみさんに独占インタビュー


——「ルミネ新宿」でのオープンを9月7日に控えています。今の心境は?
もう、ずっとドキドキしていますよ。ファッションビルに入るのは初めての体験になるので、どんな風になるのかまだ想像がついていません。岡山に住んでいた頃「ルミネ新宿」を訪れるたびに、トレンドの宝庫だと感じていました。土地堪が無くても辿り着ける駅直結というアクセスの良さも魅力ですよね。そんな夢のような場所に自分のブランドが出店できるなんて、本当に嬉しいです。
——ショップのコンセプトを教えていただけますか。
ギャラリーのような空間を目指しました。〈ànuke〉のアイテムがフルラインで揃い、直に触れてもらえる唯一の場所になります。訪れた方には服はもちろんのこと、世界観にも浸っていただけるような工夫を凝らしていくつもりです。その先駆けとしてアーティスト・Kei Koganemaruさんの絵「-STONE-」シリーズを展示販売いたします。
——ちなみに「ルミネ新宿」だけで購入できるアイテムはあるのでしょうか?
もちろん!シャツ、トップス、スカートで限定品が出ます。さらにはブランドとして初のシューズもお披露目予定。また、SSで発表してすぐに完売したセットアップも並びますよ。

——そもそも〈ànuke〉を立ち上げたきっかけは?
2023年で〈TODAYFUL〉のデザイナーを務めて10年が経ちました。節目のタイミングで社長から新ブランドの立ち上げを提案いただき、挑戦しています。帰省時に足を運んだドラッグストアで〈TODAYFUL〉の服を着た方を見かけたことがあり、何気ない日に選んでくれているのがすごい嬉しかったんですね。新ブランドはもっと普段に溶け込むものを作りたいと思いました。結婚式とかハレの舞台ではなく、スーパーや公園に行く時の一着でありたい。そこで飾らないを意味する「anu」と抜け感の「nuke」を組み合わせた〈ànuke〉をブランド名にしました。
——デザインをするうえで心掛けている点は?
〈TODAYFUL〉の頃から「好き」という気持ちを最も大切にしています。それは一貫して変わりません。〈ànuke〉ではさらに着やすさを追求するようになりました。例えばTシャツで私は肩パットが入ったデザインがかっこいいと思って作っています。でも、スタイリングによっては主張が強くなるケースもある。その対策として取り外しできるようにしています。発信側の独りよがりになるのではなく、袖をまとう人の生活スタイルに寄り添いたいんです。
——インスピレーションが湧く瞬間は?
もう、毎日です。この10年間、フル回転しています。街で素敵だったコーディネートやディテールを見かけるたびにメモし、SNSを開いても刺激を受ける素材が溢れています。いつも展示会が終わるたびに、もうアイデアを出し切って次のシーズンは無理かも……。なんて、燃え尽きるんですけれど(笑)。それでもシーズンを迎える頃には作りたいものがストックされています。創造する時間がなによりも楽しい。ライフスタイルも少しずつ変わっていくから、それに応じて着たいデザインもちょっとずつアップデートされているのかもしれません。
——最後に「ルミネ新宿」へ訪れる方に一言いただけますか。
9月7日(土)のオープニングには私もショップにおります。皆様にお会いできたら嬉しいです!
Photo_Hiromichi Uchida Text_Mako Matsuoka Edit_Yu-ka Matsumoto