〈Assembly New York〉のデザイナー、グレッグ・アーマスが国外初のポップアップショップのために来日。日本が大好きだという彼に、これまでのこと、そしてこれからのことを聞いてみた。
Assembly New YorkのG. アーマスが語る、服と自分

アメリカ人らしくフレンドリーだけれど、どこかヨーロッパ人を思わせる繊細な雰囲気を漂わせるグレッグ。ブランドは2009年に立ち上げた。大学ではインダストリアルデザインを専攻して、コンテンポラリーアートのギャラリーを運営したこともあるアート畑の人。でもファッションへの思い入れは子供の頃から強かった。
「小学校に母親のシャツを借りて着てくような子供だったんだ。先生はちょっと困惑してたけど、クラスメイトは『かっこいい!』って。塗装の仕事をしていた父親のペイントが飛び散ったデニムを拝借して、自分なりにコーディネートしたり。このころ培った、古いモノを新しく提案する、っていう視点が、〈Assembly New York〉の軸になったと思う。両親はどちらかというと保守的だったから、僕は自分が白い羊の群れに紛れ込んだ、黒い羊みたいだっていつも思ってたよ。あ、もちろんいい意味でね。だって彼らは僕が好きな服を着ることに寛容だったから」
トレードマークの〈New York〉ロゴ。〈Los Angeles〉バージョンもある。
そもそもバックグランドが異なるジャンルで成功できたのも「全てヴィンテージのおかげ」。学校に通うでもなく、有名デザイナーに師事するでもなく、ファッションの全てを古着から教わった。古いものを愛するそのスピリットは、デザインにも反映されている。アイコンであるNew Yorkのロゴは、あえて古風なフォントを採用。それを逆さまにすることで、新しい価値観を生み出すという狙いがある。「でもロゴが目立ちすぎるのはイヤ。Personal(個人的なもの)でQuiet(多くを語らない)ってのが僕のブランド哲学なんだ」
ポップアップショップ限定のスウェットトップ。袖の色が左右異なる。¥15,000+税
定番のロゴのスペシャル版。6色のカラーを1枚ごとに手刷りした。¥9,800+税
レディース、メンズと分けてはいるがユニセックス感覚でデザイン。写真上のキャップは¥5,900+税
ロスとNYのローワーイーストサイドに拠点を構え、前者では主にプリント、後者ではそれ以外のデザイン全般と使い分けている。ブランドを設立する前、日本のアパレルのコンサルタントを務めたことがあり、東京は第三の故郷。「NYとすごく似てる。東京の街を歩いていると、自分がソーホーにいるような錯覚を覚えるくらい。日本人の生活に対する姿勢とか、感性が繊細なところが僕にフィットするみたい。特に新宿には独特のスタイルがあって最高に面白い。いつかショップが持てたらな、って思ってるよ。でもその前に『Shinjuku』ロゴを作ろうかな。もちろん逆さまでね」
「JOINT WORKS SHINJUKU」
住所: 東京都新宿区新宿3-28-10 ヒューマックスパビリオン新宿東口1-2F
営業時間: 11:30~21:00
休: 無休 *ポップアップショップの会期は4月8日まで。
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Hiroko Yabuki
ライター兼通訳案内士。大学で日本史を学んだ後、ライターに。2008年に渡英しロンドンへ。帰国後は通訳業もスタート。現在は『GINZA』『Hanako』などで執筆するかたわら、海外から日本を訪れる旅行者を日々案内中。www.tokyoai.jp
Interview&Text:Hiroko Yabuki