おいしいものは食べたいけれど、今はなるべく家で作りたい。シンプルで、いろんな料理に広げられて、 おしゃれに仕上がったらよりうれしい。がんばる私たちの夢を冷水希三子さんが叶えてくれました。
料理家・冷水希三子のレシピ:「じゃがいものオイル煮」を作りおき。卵焼き・キチンソテー・ごはんにアレンジもできる!

じゃがいものオイル煮
作り方(応用の3品に使える分量+α)
1 じゃがいも(4個)は皮をむいて1〜2cm大に切り、水に5分ほどさらしてからよく水気を切る。
2 鍋に1を入れ、半分に切って芯を取り除いたにんにく(1〜2片)とローズマリー (4〜5枝)、塩(ふたつまみ)を加え、EXVオリーブオイル(適量)と米油(適量)を半々くらいずつ、じゃがいもがひたひたになるまで注ぐ。
3 中火にかけ、ふつふつしてきたら少しだけ火を弱め、ときどき底からかき混ぜながら20〜30分煮る。
今月のお買いものリスト
(分量は各レシピ参照)
〈基本メニュー〉
じゃがいものオイル煮
・じゃがいも
・にんにく
・ローズマリー
・塩
・EXVオリーブオイル
・米油
〈応用メニュー用追加材料〉
A じゃがいものオイル煮の卵焼き
・卵
・牛乳
・パルミジャーノ・レッジャーノや刻みパセリ(好みで)
・塩
B チキンソテーとじゃがいものオイル煮
・鶏もも肉
・塩
C じゃがいものオイル煮ごはん
・米
・鰹昆布出汁
・調味料…薄口しょうゆ、塩、こしょう
A じゃがいものオイル煮の卵焼き
作り方(分量は1〜2人分)
1 ボウルに卵(2個)を溶きほぐして、塩(少々)、牛乳(大さじ1と1/2)を加えて混ぜる。
2 フライパンにじゃがいものオイル煮の油分を切ったもの(基本で作った量の1/5くらい。80〜100g)とオイル煮のオイル(大さじ1と1/2くらい)を入れて中火で温める。
3 フライパンが熱くなってきたら、1を入れてかき混ぜ、半熟より硬めに仕上げて皿に盛り、好みで削ったパルミジャーノ・レッジャーノ、刻みパセリを散らす。
B チキンソテーとじゃがいものオイル煮
作り方(分量は2人分)
1 鶏もも肉(1枚)は余分な脂を切り除いて塩(適量)を振ってなじませ、キッチンペーパーで包んで20分ほどおく。
2 フライパンにオイル煮のオイル(大さじ2)とじゃがいものオイル煮の油分を切ったもの(基本で作った量の1/5くらい。80〜100g)、好みで浸かっているにんにくやローズマリー、1の鶏もも肉を皮面を下にして入れ、弱火にかけて最初トングなどで押さえながら焼く。途中フライパンの油をかけながら皮面を20〜25分ほどこんがりするまでじっくりと。その間たまにじゃがいもをひっくり返す。
3 2の鶏もも肉をひっくり返して1〜2分ほど焼いたら取り出して皿に盛り、フライパンの余分な油を拭き取ってから、じゃがいもを中火でカリッと炒めて皿に盛る。
C じゃがいものオイル煮ごはん
作り方(分量は1〜2人分)
1 米(1合)は研いでザルに上げておく。
2 鍋に1の米を入れ、じゃがいものオイル煮の油分を切ったもの(基本で作った量の1/5くらい。80〜100g)、オイル煮のオイル(小さじ1)、鰹昆布出汁(210ml)、薄口しょうゆ(大さじ1/2)、塩(ひとつまみ)をすべて加えて炊く。
3 器に盛り、こしょう(適量)を好みでふる。
オイルたっぷり〝ジャガリー〟で
朝ごはんにも晩酌のおともにも
冷水希三子(以下冷) 自粛生活をきっかけに始まった「ちょこっとレシピ」も2回目ですね。前回の取材はリモートでしたが今回は会えることになったので、立ち位置はやや遠いもののうれしいです。
GINZA(以下G) ごはんの前は手を洗おう。子どもの頃に教わったことが、こんなに大事になるなんて。
冷 まだまだ気をつけていきましょう。取材の時間を短くできるように、基本の一品は先に作っておきました。「じゃがいものオイル煮」 ですよ〜。
G 1回目の玉ねぎにつづき、常温保存できる素材選び、ありがたいです。
冷 じゃがいもの皮を剝いたら、水にさらしてから水気を拭き取る。こういう小さな手間だけきちんとすれば、あとは簡単なんです。ローズマリーなどの材料と一緒に鍋に入れて、オリーブオイルと米油をひたひたになるまで注いで20〜30分煮るだけなので。
G 質問です。じゃがいものサイズを切りそろえるときのコツってありますか?
冷 あります〜。初めに縦に3分割。それから横に切って、そこから大きさをそろえていくといいですよ。先に横に包丁を入れると、バラバラのパーツが増えるので、作業数が多くなってしまうんです。
G なるほどぉ。油が2種類なのは?
冷 オリーブオイルだけよりも米油を半分入れた方が軽い仕上がりになるの。
G 胃にもお財布にも優しい米油かな〜。
冷 ジャガリーのままつまんでも良し、3つの料理に展開させても良し。
G ジャ…なんですかそのネーミング。
冷 じゃがいもとオイリーをかけました。
G 最高じゃないですか(笑)。
冷 煮ると中の水分が飛ぶので冷蔵庫で1週間は保ちますよ。余ったオイルにはフライドポテトみたいな香ばしさや甘さが移っているのでパスタに使っても。
G 「じゃがいものオイル煮の卵焼き」を作ったら、朝ごはんが豊かになるな。
冷 手早くできて腹持ちもするので朝にぴったり。冷蔵庫で保存していたジャガリーをフライパンで温め直して、そこに卵を流し込めば完成です。半熟具合はお好みでね。レモン汁を搾ってもおいしいし、ハムやベーコンを足してもいいの。
G 私はチーズとパセリがのったレシピ通りの味がいいな。おいも、モッチモチ。
冷 展開の仕方でジャガリーのキャラクターが変わるの。「じゃがいものオイル煮ごはん」 にすると、ふわりとした食感になって、油揚げの役目も果たします。
G オイルが出汁となじんで、こりゃ揚げだ(笑)。こしょうがまた合いますね。
冷 はいっ。「チキンソテーとじゃがいものオイル煮」 のコツは2つ。鶏肉に塩をして水分を抜いておくこと。焼くときに水分が飛ぶのを防ぎます。あとは火をかける前のフライパンに素材を入れること。熱々の状態から焼くと、鶏肉の中まで火が通る前に外が焦げてしまうんです。
G カリカリになったジャガリーが、鶏の旨味を吸いこんで。おいしすぎる〜。
冷 よく冷えたビールがぴったりね!
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冷水希三子
料理家、フードコーディネーター。著書に『スープとパン』『さっと煮サラダ』(共にグラフィック社)などが。食材の作り手とのつながりを大切にした、優しい料理に定評がある。