撮影現場で初めて出合った麻生要一郎さんのお弁当は、茶色多めで、一見ちょっと地味。でも、口にするととんでもなく美味しくて、じんわり沁みた。「こういうのが食べたかったんだ」スタッフ全員が口を揃えた。今月の”枯れ”ごはんは、旨すっぱく煮えた豚肉を主役に一献。
麻生要一郎 ときめきの枯れ飯レシピ vol.2 豚ばらの黒酢煮、焼きなすetc…

豚ばらの黒酢煮
焼きなす
いんげんのおかか煮
今月も、麻生さんから献立が届いた。
豚に黒酢。真珠よりこっち。
副菜はなすといんげん。夏近し。
豚ばら肉は好きなだけ。鍋に水と黒酢を1:1、醤油は0.4、砂糖0.3、みりん0.1を加え、火をつけて煮立たせる。煮立ったら、豚とゆで玉子(先に作っておく!)を加えて蓋。40分ほど煮るだけ。「豚は下茹でしなくていいんですか?」思わず麻生さんに聞いてしまった。いらないんです。酢のおかげで、香りの強さも繊維の硬さも、ぜんぶまろやかに柔らかくなる。仕上げに好きな青菜を端に入れて煮る。
黒酢のことも少し。いわゆる中華料理店の卓上にある真っ黒な酢じゃなくて、このくらい琥珀のもののほうが仕上がりの色が美しいし、酸味も引き立つ。麻生さんが使っていたのは坂元のくろず。

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麻生要一郎
Photo&Text: GINZA