[神宮前]
【神宮の蕎麦:外苑前】フードジャーナリスト渡辺紀子お墨付き、東京NEW OPEN

つまみ充実、蕎麦はもちろん
〝蕎麦前〟好きにもたまらん店。
〝蕎麦前〟をご存じだろうか。読んで字の如し。蕎麦を食べる前に、ちょいと一杯飲むってこと。もちろん、ちょいとつまんだりもする。江戸時代からの殿方の粋な習慣だ。これ、女子もやらないテはない。蕎麦屋ならば、昼間っから堂々と一杯もできる。てへっ。
ここ「神宮の蕎麦」は、まさに神宮のそばにある。香り高く、繊細な十割蕎麦を、品のいいつゆでいただく。その前に、季節野菜のお浸しにだし巻き玉子などなど、大充実の一品料理で蕎麦前も可能だ。この一品料理がいちいちおいしい。器も気が利いている。聞けば、西麻布にある和食の名店が開いたという。そりゃあ、おいしいに決まってる。なにしろ、素材のクォリティがものすごく高い。出汁に使うカツオ節だって、近海の一本釣りのカツオの本枯れ節だし、鴨せいろの鴨だってフランス・シャラン産、それも名門ビュルゴー家の鴨だ。ともかく、何を食べても安心の味なのがありがたい。
つゆを少し飲んでみてほしい。いわゆる江戸前の辛口とは違う。キリッとしているけれどまろやか。蕎麦の香りと味が立ち上がってくる。さすが、名店が作る蕎麦だなと感動。その手練手管に翻弄されましょ♡
「神宮の蕎麦」
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渡辺紀子
『アンドプレミアム』『ブルータス』などの食の特集でおなじみのフードエディター。「Pさん」という愛称で慕われている。