東京を拠点に世界へと活躍の場を広げている〈アンブッシュ〉のクリエイティブディレクター、YOONが〈ブルガリ〉とコラボレーション! 蛇をモチーフとするアイコニックな「セルペンティ」の限定コレクションが発売される。はたして「セルペンティ」はどのような姿に生まれ変わったのだろうか? YOONに話を聞いた。
YOONが蛇に魅せられた理由。ブルガリとコラボしたコレクションに迫る

──〈ブルガリ〉とコラボレーションすることになった経緯を教えてください。
2018年に「ブルガリ アウローラ アワード」を受賞したのをきっかけに本社の方から会いたいという連絡をいただき、パリ出張の際にランチをしたんです。その時は自分が日頃考えていることをお話ししたのですが、昨年春ぐらいに「セルペンティ」をテーマにコラボレーションしませんか、というお話をいただいて。すごく尊敬しているブランドですし、やってみたいです!と即答しました。
──まずどんなことから取り組んだのでしょうか?
夏頃イタリアにあるジュエリーやバッグの工房を見に行きました。素材や設備が充実している広大な敷地にはアットホームな空気が流れていて、職人たちが1つ1つ愛情を込めて作っている。皆すごく楽しそうで、まるでファミリーのようでした。超高級品を展開しているので厳格な雰囲気を想像していたのですが、イメージが一変しましたね。合わせて歴史も教えていただき、ブルガリの世界観を体感することができました。
──「セルペンティ」についても学んだのでしょうか。
リサーチを進めるうちに、蛇を好きにならなければ、と思いました。
──古代ギリシャやローマの神話から、知性と生命力、永遠の象徴と言われていたと聞きますが、蛇という生き物そのものを好きになる、ということですか?!
動物は大好きなんですけど、蛇には怖い、というイメージがあって。それではデザインできないと、好きになれるポイントを探しました。そんな時に見つけたのが東南アジアに生息しているニシキヘビの姿です。自然の色とは思えないほど鮮やかで美しい。そこでその色や形態を表現することにしました。
デザインするにあたって、今までにない、全く新しいものを模索するやり方もあると思うのですが、私はすでに存在していながらも未知の自然の中から答えを見つけたかったんです。
──では、ずいぶん蛇に詳しくなったとか…?!
たとえばインスタグラムの@Chrisweeetなど、蛇をペットとして飼っている人たちがいろんな写真をアップしているんです。ハートの形にとぐろを巻いて寝ている姿なんかけっこうかわいい。それはイブニングバッグ「ミノディエール」やコインパースに取り入れました。
「セルペンティ」を手がけるからといって、ここまで本物の蛇をリサーチした人はいないのでは(笑)。
──いつのまにか蛇をペットにしていたりとか…?! 製作は順調に進んだのでしょうか。
主にWhatsAppでやりとりしたのですが、スケッチを渡すと高い技術でそれに応えてくれる。大変だったことは1つもありません!
──鮮やかな色みやハートの形の他、注目してほしいポイントはありますか?
これまで「セルペンティ」にはシャープな印象があったと思うのですが、私はお客さまに楽しさを伝えたかったので、蛇の頭にも丸みをつけて、かわいいキャラクターのような感じをめざしました。そしてラムレザーを使用してふっくらとさせています。
──ご自身で持つとしたらどのアイテムでしょうか?
ウエストバッグが好きなので、「ベルトバッグ」でしょうか。取り外し可能なベルトとショルダーストラップが付いていて、気分やスタイリングによって持ち方を変えることができます。
──アクセサリー事業本部 マネージング ディレクターのミレイア・ロペス・モントーヤさんは、「まったく予測していなかった結果が得られました」とおっしゃっているそうで、YOONさんの発想にかなり刺激を受けたようですね。これまでの〈ブルガリ〉にはない、意外性のあるコレクションが店頭に並ぶのが待ち遠しいです!
お客さまがどんな反応をされるのか、今からわくわくしています。よく仕事をしているスタイリストで雑誌『i-D』のファッション ディレクター、カルロス・ナザリオ、カメラマンのタイラー・ミッチェルと共に作り上げたキャンペーンヴィジュアルも楽しみにしていてください!
その他アイテム
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YOON
2008年、VERBALと共にアンブッシュ®︎を設立。17年LVMHプライズのファイナリストに。18年よりディオール メンのジュエリーディレクターも務めている。
展開予定: 2020年9月
■問い合わせ先
ブルガリ ジャパン
Tel: 03-6362-0100
Text:Itoi Kuriyama